数学II / 微分の考え

微分係数の計算

★ 基礎微分係数導関数

問題

関数 について、 を求めよ。

ヒントを見る

まず導関数 を求め、それから を代入する。符号の処理だけ慎重に。

解答・解説

方針

まず導関数 を求め、そこに を代入する。定義の極限を使わなくても、導関数に代入すれば微分係数が出る。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 微分係数 とは、導関数 を代入した値である。

手順は 段階。

手順1: 導関数を求める。

手順2: を代入する。

符号に注意する。 乗すれば正になる。

答えは (負ではない)。

この という値の意味。 曲線 の、点 における接線の傾きが ということだ。

傾きが正 → その点で、グラフは右上がり(増加している)。

公式 は、導関数 を代入した値

導関数は を代入する。

(負の 乗は正)なので

まとめ:微分係数は「導関数に代入」で速く出せる。定義の極限は 番の問題のように、意味を確かめるときに使う。

発展 — 一歩先へ。 導関数 は、もとの関数の設計図である。 の符号を読むだけで、グラフの形が分かる。

の場合、 — だから常に増加。

では、 をもう 回微分したら?

この (第 次導関数)は、「傾きの変化率」を表す。

  • ()→ 傾きが増えていく → グラフは下に凸(お椀型)
  • ()→ 傾きが減っていく → グラフは上に凸(山型)
  • ()→ 凸の向きが変わる → 変曲点

の原点は、上に凸から下に凸へ切り替わる"変曲点"だった。

が「速度」なら、 は「加速度」だ。

車の運転で言えば:

  • : 位置(どこにいるか)
  • : 速度(どれだけ速く動いているか)
  • : 加速度(どれだけ速度が変わっているか)

アクセルを踏むと加速度が正、ブレーキを踏むと負。

そして、ニュートンの運動方程式は

「力は、位置の 階微分に比例する」 — 世界のすべての運動が、この 本の式から計算される。

という小さな計算。 そこから、微分・ 階微分・運動方程式へと、道は一直線につながっている。

別解

定義から直接計算して、公式の答えを検証しよう。 そして、 という値が「グラフの形」について何を語っているかを読む。

定義から計算する。

分子を展開する。

( を代入。符号に注意:。)

で割る。

とする。

公式と一致した。 定義から計算しても、ちゃんと になる。

さて、 という値は、何を語っているのか。

のグラフの、点 での接線の傾きが

傾き は、けっこう急だ。 増えると 増える勢いで、グラフは上昇している。

の導関数を、もう 度眺めてほしい。

これは常に 以上( 乗だから)。

が負でも正でも、グラフは右上がり。 どこにも"下り坂"がない。

唯一の例外は である。ここで 傾きが になり、水平になる。

しかし、そこで極値をとるわけではない。 前後を見ると

  • (上り)
  • (水平)
  • (上り)

上り → 水平 → 上り。 一瞬だけ平らになるが、下がらずにまた上る。

これを「変曲点で接線が水平になる」という。 極大でも極小でもない — でも、極値とは限らないのだ。

この事実は、次に学ぶ「極値」の議論で決定的に重要になる。

になる点を見つけたら、その前後で の符号が"変わるか"を必ず確かめる — 変わらなければ、極値ではない。

の原点は、その最も有名な反例である。

ポイント

  • 微分係数 = 導関数に を代入した値。
  • 。符号ミスに注意。

よくある間違い

  • としてしまう(2乗なので正。)
  • を代入して を答えてしまう(聞かれているのは )
  • を書き忘れる