数学I / 図形と計量
円に内接する四角形
問題
円に内接する四角形 において、、、、 である。
(1) とおくとき、 の値と対角線 の長さを求めよ。
(2) 四角形 の面積 を求めよ。
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四角形のままでは手が出ない — 対角線を1本引いて三角形2つに割ろう。同じ対角線を2通りに表せば方程式ができる。円に内接する四角形の『向かい合う角』の特別な関係が、2式を1つの未知数で結ぶカギ。
解答・解説
方針
四角形のままでは余弦定理も面積公式も使えない。そこで対角線 を引いて、2つの三角形に割る。すると同じ が と の両方に属する。 を2通りに表して等式を作る道が開ける。
ここで効くのが『円に内接する四角形の対角の和は 』。これにより となって、未知数が 1つにまとまる。
『同じ量を2通りに表す』作戦の、円がらみの代表例だ。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 四角形のままでは、余弦定理も面積公式も使えない。対角線 を引いて、2つの三角形に割る。
すると同じ が と の両方に属する。 を2通りに表して、等式を作る道が開ける。
ここで効くのが「円に内接する四角形の対角の和は 」。 だから、。未知数が の1つにそろう。
(1) 円に内接する四角形の対角の和は なので、 だ。この一言がこの問題の生命線。円の条件を使わなければ、2つの三角形の角は無関係のままで、方程式が立たない。
で余弦定理より
では、 に注意すると
マイナスとマイナスが打ち消し合って になるところが、最大の符号事故ポイント。 と、途中を省略せずに書く。
2つの式は同じ を表すので
このとき だ。 より
(2) 面積も同じ分割を使う。四角形を対角線 で と に分けて足す。、 なので
まとめ: は で符号が反転するのに、 は反転しない()。この非対称が、(1)では方程式を生み、(2)では計算を楽にしている。
発展 — 一歩先へ。 「対角の和が 」のおかげで、 は符号が反転し()、 は同じ値のまま()。 の連立では の反転が、面積の合算では の一致が、それぞれ効いていた。1つの性質の2つの顔だ。
対角線のもう1本 でも同じことができ、トレミーの定理()という美しい関係へつながっていく。
(1) ()、 (2)
別解
面積(2)は、円に内接する四角形専用の「ブラーマグプタの公式」でも出せる(ヘロンの公式の四角形版だ)。
4辺の和の半分を とすると で
本解の答えと一致する。
ヘロンの公式で などが4つ並ぶ代わりに が消えているのは、「1辺の長さを にした四角形=三角形」と考えると、ちょうどヘロンの形に戻るからだ( なら )。円に内接するという条件があって初めて成り立つ公式で、検算用の道具として持っておくと心強い。
ポイント
- 円に内接する四角形 → 対角の和が → は符号が反転()
- 対角線を2つの三角形で2通りに表して方程式を作る
- 面積は対角線で分割して足す。 なので の値は共通
よくある間違い
- の符号反転を忘れ、2本の の式が同じものになる
- 面積計算で使う2辺の組(角をはさむ2辺)を取り違える
- (2)で に気づかず、別の値を求めようとする