数学I / 図形と計量

3辺から面積と内接円の半径を求める

★★ 標準余弦定理面積内接円

問題

において、 である。

(1) の値を求めよ。

(2) の面積 を求めよ。

(3) の内接円の半径 を求めよ。

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3辺だけから面積へ。 も見えないが道はある — まず1つの角の を辺から出し、 に乗り換えて面積へ。内接円はさらに『面積の2通り表現』で。第一歩は、どの角を選ぶと楽か。

解答・解説

方針

3辺だけが与えられた三角形の面積。 もどこにも見えないが、道はちゃんと通っている。

①余弦定理で1つの角の を出す(3辺があれば必ずできる)。②相互関係で に直す。③面積公式に入れる。④内接円は で仕上げる。

この4段の数珠つなぎは、図形と計量の集大成として入試でもそのまま使う型だ。各段で『今なぜこれをやっているのか』を意識しながら進む。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 3辺だけが与えられた三角形の面積。 もどこにも見えないが、道はちゃんと通っている。

①余弦定理で1つの角の を出す(3辺があれば必ずできる)。②相互関係で に直す。③面積公式に入れる。④内接円は で仕上げる。

この4段の数珠つなぎは、図形と計量の集大成としてそのまま入試に出る型だ。

IrBBCA657
AB = 5、BC = 6、CA = 7 と内接円
公式余弦定理(角を求める形) 、三角形の面積 、内接円

(1) をはさむ2辺は 、角 の対辺は だ。分子で引くのは対辺の2乗。ここを取りちがえないよう、代入前に『はさむ2辺』『対辺』を声に出して確認する。余弦定理より

(2) 面積公式に必要なのは ではなく 。そこで相互関係で乗りかえる。 より なので、根号の前の符号で迷わなくていい。

面積公式より

面積公式で使う角は『使った2辺にはさまれた角』でなければならない。(1)で を求めたのだから、2辺も をはさむ を使う。この整合を崩さないこと。

(3) 内接円の半径 は、面積を2通りに表す関係 から求まる(内心と各頂点を結んで3分割する、あの式だ)。

よって

まとめ:①〜④のどの段も、単独では基本問題だ。つなげて一気に走れるかが、標準問題との分かれ目になる。

発展 — 一歩先へ。 3辺が決まれば三角形は1つに決まる(合同条件)。だから面積も、内接円も外接円も、すべて3辺から計算できるはずで、今日の4段+正弦定理()はその計算路をひととおり歩いたことになる。

ヘロンの公式は、4段の道を文字のまま一般に実行して1本の式に固めたものだ。「なぜ成り立つか」を本解の道順で説明できれば、公式は暗記でなく圧縮になる。

(1) (2) (3)

別解

(2)(3)は、ヘロンの公式を知っていれば一気に飛べる(3辺から面積を直接出す公式で、発展的な内容として教科書にも載っている)。

3辺の和の半分を とすると

(3)も という短い形が使える( を代入した形だ)。

本解の4段の道は「なぜ求まるか」が見える教育的なルート、ヘロンは検算・時短ルート。両方持っていると、本番で答えを2重に確かめられる。

ポイント

  • 3辺 → 余弦定理で → 相互関係で → 面積、が黄金ルート
  • 面積が出たら で内接円の半径につながる
  • どの角を選んでも面積は同じ。計算しやすい角(はさむ2辺が簡単なもの)を選ぶ

よくある間違い

  • 余弦定理の分子で、対辺(この場合 )以外の辺を引いてしまう
  • を求めるときに根号の中の計算()を誤る
  • (3)で を落とし、 が半分になる