数学I / 図形と計量
三角形の解が2通りある場合
問題
において、、、 であるとき、 を求めよ。
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正弦定理で は1つに決まる。でも の値から角を戻すとき、候補は本当に1つ? 〜 で同じ を持つ角を見落とすな。出た候補それぞれが三角形になるか、内角の和で確かめよう。
解答・解説
方針
角 とその対辺 、さらに辺 が与えられているので、正弦定理で が求まる。ここに落とし穴がある。
の値が1つに決まっても、 自体は1つに決まらない。 から の間では、鋭角と鈍角の2つの角が同じ の値をもつからだ( は をはさんで対称)。
候補を両方あげて、それぞれ三角形として成り立つかを内角の和で確かめる。この『確かめ』までがワンセットの問題だ。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 角 とその対辺 、さらに辺 が与えられている。正弦定理で が求まる形だ。
ここに落とし穴がある。 の値が1つに決まっても、 自体は1つに決まらない。
から の間では、鋭角と鈍角の2つの角が同じ の値をもつ( は をはさんで対称)。両方の候補を挙げ、内角の和が を超えないか吟味して仕分ける。
まず正弦定理で を求める。 角 の対辺は 、角 の対辺は なので、正弦定理より
これを について解くと
次に条件を満たす をすべてあげて確かめる。 ここで と即答してはいけない。 で になる角は
の2つある。図のように、高さが同じ点は半円上に左右対称に2つあるからだ。それぞれが本当に三角形になるか、残りの角 が正になるかで確かめる。
- のとき: で成立
- のとき: で成立
どちらも生き残るので
まとめ:『2辺とその一方の対角』という与え方では、三角形が1通りに決まらないことがある。 から角を戻すときは、いつも『もう1つの候補』を疑う。確かめの結果、片方が捨てられることも、今回のように両方残ることもある。
発展 — 一歩先へ。 三角形の合同条件(3辺・2辺夾角・2角1辺)に「2辺と間でない角」が入っていないのは、まさに今回のように三角形が2つできてしまうからだ。合同条件の裏側を、計量の言葉で体験したことになる。
コンパスで作図してみると分かりやすい。 を中心に半径 の円を描くと、 から で伸ばした直線と2点で交わる。その2交点が、2つの三角形の頂点 である。
または
別解
「答えが2つある」ことの正体は、余弦定理ルートで見るとよく分かる。
残りの辺 を未知数にして、余弦定理を立てる。、つまり
整理すると 。この2次方程式の解は で、どちらも正。
つまり、条件を満たす三角形が本当に2つ実在する。長いほうの が の三角形、短いほうが の三角形に対応する。
「2辺と、間ではない角」という与え方は三角形を1つに決めない。 の2択はその現れであって、計算の都合ではない。方程式の2解として見ると、その事実が目に見える。
ポイント
- から角を戻すときは、鋭角・鈍角の2候補を必ず検討する
- 各候補は『残りの角が正になるか』で成立を判定する
- 『2辺と1対角』の条件では三角形が2通り存在しうる
よくある間違い
- だけ答えて を落とす
- 吟味をせずに2つとも答える(この問題では両方成立するが、内角の和の確認は毎回必要)
- 図を1枚しか描かず、2つの三角形がどちらも実在することを確認しない