数学I / 図形と計量

鈍角の三角比と相互関係

★★ 標準相互関係三角比の拡張

問題

とする。 のとき、 の値を求めよ。

ヒントを見る

の値1つから残り2つを出す。 が橋渡し。2乗から戻すときの符号は、角の範囲が決める — この範囲で はどちら向き(正か負か)?

解答・解説

方針

の値1つから、残り2つの三角比を求める。使う道具は相互関係 だ。

三角比の3つは、1つ決まれば残りもほぼ決まる。それをこの式が保証している。『ほぼ』と言ったのは符号が残るから。2乗から戻すとき かで迷う。そこで効くのが角の範囲 だ。この範囲では は負にならない。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 三角比は、1つ決まれば残りもほぼ決まる。それを保証するのが相互関係 だ。

「ほぼ」と言ったのは、2乗から戻すときに符号が残るからだ。

そこで角の範囲が効く。 では は常に 以上。この1行で符号が確定する。

Oxy1−1θx = −1/3
cos θ = −1/3 なので θ は鈍角(x 座標が −1/3)
公式三角比の相互関係

まず 相互関係より

ここが分かれ道。2乗を外すと の2候補が出る。どちらかを決めるのが角の範囲だ。 では半円の上半分しか動かないので 。よって

次に 定義 に戻る。分数で割るので、逆数を掛ける形に直す。

検算: だから は鈍角。鈍角では のはず。結果はすべて合っている。答えを出したら符号の顔ぶれを一目見る習慣をつけたい。

発展 — 一歩先へ。 相互関係 の正体は、単位円の方程式 そのものだ。三角比を「円周上の点の座標」と見る目は、数学IIの三角関数(角が一周を超える世界)へそのままつながる。

「絶対値は計算、符号は絵」という分業は、そこでも変わらない基本作法になる。

別解

単位円(半径 の半円)の絵で解くと、符号が目で決まる。

は円周上の点の 座標、 座標だ。 だから、点は の縦線と半円の交点。左半分(鈍角の領域)にある。

座標は半円の上側だから正で、円の式から

。正 ÷ 負だから負で、

「絶対値は計算、符号は絵」と分業すると、符号ミスがほぼ消える。鈍角の三角比が苦手なら、毎回この半円を描くことから始めるとよい。

ポイント

  • では (符号判断の根拠を範囲から取る)
  • なら は鈍角で、
  • のような根号の簡約を正確に

よくある間違い

  • と両方書いてしまう(範囲から正に確定する)
  • 分数の割り算を誤って などとする
  • 符号を暗記だけで決めようとして混乱する(鈍角では 、と単位円の絵で確認する)