数学I / 図形と計量

外接円の半径が一定のもとで周を最大にする

実戦編図形と計量正弦定理最大・最小凸性単元横断

問題

外接円の半径が の三角形について、周の長さ の最大値を で表せ。

ヒントを見る

正弦定理で 。周 は上に凸なので、角をそろえた正三角形で の和が最大。

解答・解説

方針

正弦定理で辺を角の に直す。周は のもとで の和を最大にする(正三角形)。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 「外接円の半径 が一定」という条件は、正弦定理で辺を角に翻訳できる: など。

周は — 問題は「 のもとで の和を最大にせよ」に変わった。

対称な条件で対称な量の最大 — 答えは正三角形()と見当をつけ、それを和積の公式などで裏付ける。

定理正弦定理 ()は正三角形で最大

① 辺を角に翻訳。 正弦定理より 。周は の和の最大。 で上に凸なので、和積などから角をそろえるほど和が大きく、最大は のとき

③ 周の最大。 等号は正三角形。よって周の最大値は

O正三角形で最大
外接円の半径 R 一定で周 a+b+c が最大になるのは正三角形。最大 3√3 R

まとめ 正弦定理で周 の和は正三角形で最大 。周の最大 。正弦定理と最大最小(凸性)の融合。

発展 — 一歩先へ。 同じ調整法で「 一定の三角形の面積の最大」も解ける( を均す)— 答えはやはり正三角形で 。「周・面積・ の和・ の和…どの対称量も、円に内接する三角形では正三角形が王者」という風景が、1つの調整法から一望できる。

正弦定理 等より周 は正三角形 のとき最大 。周の最大は

別解

「均すと増える」を和積で示す(調整法)。 最大が正三角形で起きることを、2角ずつ均す操作で裏付けられる。

のとき、2角を平均 にそろえると( はそのまま、和は不変):

( なら 。)つまり、そろっていない2角があれば、均すことで の和は必ず増える

増やせる余地がない=3角がすべて等しい配置だけが最大の候補で、 のとき和は 、周は

この「対称に均すと改善する」議論(スムージング)は、対称な最大最小問題の汎用の思考法 — 凸性(イェンセンの不等式)の初等版として、面積の最大などにもそのまま使える。

ポイント

  • 正弦定理 で周
  • の和は正三角形で最大
  • 周の最大

よくある間違い

  • 「対称だから正三角形で最大」を無証明で使う(和積の調整、または凸性の議論を添える)。
  • 正弦定理の翻訳を とする()。
  • 最大値を の和()のまま答えて、周 への換算()を忘れる。