数学I / 図形と計量

重心からの距離の2乗の和

★★★★ 難関重心中線定理論証

問題

三角形 の重心を 辺の長さを とする。

が成り立つことを示せ。

ヒントを見る

は中線の 。まず中線の長さの 乗を中線定理で で表す。 本ぶん足すと対称な形にまとまる。

解答・解説

方針

重心は中線を に内分するから ( から出る中線)。中線定理で で表し、 本の中線の 乗の和をとる。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 重心は中線を に内分するから、( から出る中線の長さ)。だから

中線の長さは中線定理で辺の長さに直せる。

本の中線について を足す。 となり、 を掛けて

定理重心は各中線を頂点側から に内分する()。中線定理: から出る中線

を中線で表す。 から辺 の中点への中線を とすると、重心の性質より 。よって

GABC
3本の中線と重心 G。G は各中線を頂点側から 2:1 に内分する

同様に

② 中線の 乗を辺で表す。 中線定理より

本を足すと、 の係数は (他も同様)だから

③ 仕上げる。

(証明終)

まとめ:重心がらみの長さは「中線の 」に翻訳し、中線定理で辺の言葉に直す。 本足すと各辺が対等に効いて対称式になる。 という係数の噛み合いが、きれいな結論を生む。

発展 — 一歩先へ。 は、重心が「 頂点からの距離の乗和を最小にする点」であることの現れ(前に平面ベクトルで見た の最小)。物理では、この距離の乗和が「重心まわりの慣性モーメント」に対応し、剛体の回りにくさを表す。

重心は各中線を に内分するので 。中線定理で 本を足すと 。証明は解答参照

別解

別解 — 重心を原点にとって座標で示す(計算で確実なルート)。 重心 を原点にとる。すると (重心の定義)。

一方、辺の長さの乗の和は 。展開すると

ここで を展開すると、内積の和 。代入すると

中線定理(本解)を使わず、「重心からのベクトルの和が 」を使うと、ベクトルの計算だけで示せる。 が全ての鍵だ。

ポイント

  • 中線定理で 、係数を掛けて

よくある間違い

  • (頂点側 )を と取り違える。
  • 中線定理 の係数を誤る。
  • 本の中線の 乗の和 の計算で 型の項の相殺を誤る。