数学I / 図形と計量
重心からの距離の2乗の和
問題
三角形 の重心を 、 辺の長さを とする。
が成り立つことを示せ。
ヒントを見る
は中線の 。まず中線の長さの 乗を中線定理で で表す。 本ぶん足すと対称な形にまとまる。
解答・解説
方針
重心は中線を に内分するから ( は から出る中線)。中線定理で を で表し、 本の中線の 乗の和をとる。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 重心は中線を に内分するから、( は から出る中線の長さ)。だから 。
中線の長さは中線定理で辺の長さに直せる。。
本の中線について を足す。 となり、 を掛けて 。
定理重心は各中線を頂点側から に内分する()。中線定理: から出る中線 は
① を中線で表す。 から辺 の中点への中線を とすると、重心の性質より 。よって
同様に 、。
② 中線の 乗を辺で表す。 中線定理より
本を足すと、 の係数は (他も同様)だから
③ 仕上げる。
(証明終)
まとめ:重心がらみの長さは「中線の 」に翻訳し、中線定理で辺の言葉に直す。 本足すと各辺が対等に効いて対称式になる。 という係数の噛み合いが、きれいな結論を生む。
発展 — 一歩先へ。 は、重心が「 頂点からの距離の乗和を最小にする点」であることの現れ(前に平面ベクトルで見た の最小)。物理では、この距離の乗和が「重心まわりの慣性モーメント」に対応し、剛体の回りにくさを表す。
答
重心は各中線を に内分するので 。中線定理で 。 本を足すと 。証明は解答参照
別解
別解 — 重心を原点にとって座標で示す(計算で確実なルート)。 重心 を原点にとる。すると (重心の定義)。
一方、辺の長さの乗の和は 。展開すると
ここで を展開すると、内積の和 。代入すると 。
中線定理(本解)を使わず、「重心からのベクトルの和が 」を使うと、ベクトルの計算だけで示せる。 が全ての鍵だ。
ポイント
- → 。
- 中線定理で 、係数を掛けて 。
よくある間違い
- の (頂点側 )を と取り違える。
- 中線定理 の係数を誤る。
- 本の中線の 乗の和 の計算で 型の項の相殺を誤る。