数学I / 図形と計量
トレミーの定理と正三角形(PA=PB+PC)
問題
正三角形 の外接円の、点 を含まないほうの弧 上に点 をとる。このとき が成り立つことを示せ。
ヒントを見る
点 が同じ円周上にあることに注目。円に内接する四角形の対角線と辺のあいだに成り立つ関係(積の関係)を思い出す。正三角形の辺の長さがすべて等しいことが効く。
解答・解説
方針
点 は同一円周上にある(円に内接する四角形 )。トレミーの定理を対角線 に適用し、正三角形だから辺が等しいことを使う。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 点 が同一円周上にある(円に内接する四角形 )。円に内接する四角形といえばトレミーの定理だ。
トレミーの定理は「対角線の積 向かい合う辺の積の和」。四角形 の対角線は と 。
。正三角形だから 。共通の辺の長さで割れば が出る。
① 四角形をとらえる。 は弧 上にあるから、 の順に並び、 点 は円に内接する四角形をなす。対角線は と 。
② トレミーの定理を書く。
③ 正三角形の等長性を使う。 (共通の辺の長さ)とおくと、両辺を で割って
(証明終)
まとめ:「円周上の点からの距離の和」はトレミーの定理の出番。正三角形(辺がすべて等しい)だと、辺の長さがきれいに約分されて という美しい形になる。 点が同一円周上にある、という気づきがすべての出発点。
発展 — 一歩先へ。 トレミーの定理は、円に内接する四角形で「対角線の積 対辺の積の和」。内接しない一般の四角形では の不等式(トレミーの不等式)になり、等号は内接するとき。 という美しい関係は、正三角形と円という対称性が生む特別なケースだ。
四角形 にトレミーの定理を用いる。 で、 より従う。証明は解答参照
別解
別解 — 点 を角度でおいて正弦定理で示す(計算で確かめるルート)。 外接円の半径を 、弧の位置を角度で表す。円周角の定理を使うと、弦の長さは対する円周角の で書ける。
が弧 上にあるとき、( の補角、内接四角形)。 ではなく、 を での角 … と設定する。
弦の長さの公式(円周角 に対する弦 )で、 をそれぞれ で表す。すると に対応する角の関係から、和積の公式で が出る。
トレミー(本解)は 行で鮮やかだが、 を角度でパラメータ表示して正弦定理で押すと、 が「 の和積」に翻訳される。トレミーの定理自体、この正弦定理の計算から証明できる。
ポイント
- 点が同一円周上 → トレミー 。
- 正三角形で辺が等しく、両辺を辺長で割ると 。
よくある間違い
- トレミーの定理の対角線・辺の対応を誤る(対角線 の積 向かい合う辺の積の和)。
- 点が同一円周上(内接四角形)であることの確認を飛ばす。
- 正三角形で を使って割る段を飛ばし、 に至らない。