数学I / 図形と計量

鈍角三角形になる辺の範囲

★★★★ 難関余弦定理三角形の成立鈍角

問題

辺の長さが である三角形が鈍角三角形となるような、 の値の範囲を求めよ。

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「鈍角」なのはどの角か — いちばん長い辺の向かい。その角の余弦を余弦定理で作り、符号が負になる条件を書く。加えて、そもそも三角形ができる条件も忘れずに。

解答・解説

方針

つの条件を連立する。(1) 三角形が成立する:最も短い 辺の和 最長辺 。(2) 鈍角:最大辺 の対角が鈍角、すなわち余弦定理でその角の ()。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 「鈍角三角形」には つの条件が要る。まず三角形として成立すること、次に つの角が鈍角であること。両方を連立する。

三角形の成立は「最も短い 辺の和 最長辺」。辺は だから 、すなわち

鈍角は「最大辺の対角が鈍角」。最大辺 の対角の が負、余弦定理から 。整理して 。両方あわせて

定理余弦定理より、最大辺 の対角 について が鈍角 ⟺

① 三角形の成立条件。 最長辺は 。他の 辺の和がこれより大きい必要がある。

(各辺が正、という条件 はこれに含まれる。)

BCAx+2x+1x
代表例 x=2(辺 2,3,4)。最長辺 x+2 の対角が鈍角。三角形の成立(x>1)も同時に必要

② 鈍角の条件。 鈍角になるとすれば最長辺 の対角。余弦定理の分子の符号だけ見て

より

③ 連立する。 と ② の共通範囲は

まとめ:「鈍角三角形」は「三角形が成立」+「最大辺の対角が鈍角()」の 段構え。成立条件を忘れると、三角形にならない まで拾ってしまう。角の大小は辺の大小と対応するので、鈍角は必ず最大辺の対角で調べる。

発展 — 一歩先へ。 最大辺の対角の の符号で、三角形は鋭角()・直角()・鈍角()に分類できる。これは三平方の定理の一般化(余弦定理)そのもの。 辺から三角形の“形”が、最大辺の対角ひとつで判定できる。

別解

別解 — つの角のうち最大角だけ調べればよい理由(得意な人向けの視点)。 鈍角三角形とは「 つの内角が より大きい」三角形。内角の和は だから、鈍角は高々 つ。しかも鈍角があるなら、それは必ず最大辺の対角だ(辺が大きいほど対角も大きい)。

だから調べるべきは最大辺 の対角だけ。余弦定理で

鈍角 。分母 (辺は正)だから、分子 、すなわち 。辺が正なので 、三角形成立で 。あわせて

角すべてを調べる必要はなく、「最大辺の対角の の符号」だけ見ればよい。 が正なら鋭角三角形、 なら直角、負なら鈍角、と最大角の で三角形の種類が判定できる。

ポイント

  • 成立条件:最長辺 より他 辺の和が大 →
  • 鈍角条件:。連立で

よくある間違い

  • 三角形の成立条件()を忘れ、 だけで答える(辺が三角形にならない を含む)。
  • 鈍角の条件で調べる角を最大辺の対角以外にする(鈍角は最大辺の対角だけ)。
  • の不等式 の因数分解 を誤る。