数学I / 図形と計量
三角形の形状決定
問題
において、等式
が成り立つとき、この三角形はどのような形の三角形か。ただし、、、 とする。
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角と辺が混ざった式は扱いにくい — すべて辺の言葉に統一しよう。整理して『(何か)×(何か)』の形へ。ここで絶対に割ってはいけないものがある — それを割ると、1つの場合を丸ごと落とす。
解答・解説
方針
『 を満たす三角形はどんな形か』。形状決定と呼ばれる型だ。角と辺が混ざった式は扱いにくいので、まずやることはすべてを辺の言葉に統一すること。
余弦定理の変形 を代入すれば、式は辺だけの多項式になる。あとは『』の形に整理して因数分解する。現れた各因数が、それぞれ1つの図形的な性質(二等辺・直角)に翻訳される。
因数を1つ見つけて満足しないこと。『または』で結ばれたすべての場合が答えだ。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 「どんな形の三角形か」と問われている。角と辺が混ざった式は、まず言葉を統一する。
余弦定理で を辺だけの式に置き換える。すると条件式は、辺だけの代数方程式になる。
あとは因数分解して「 または…」と読む。各因数がどんな三角形かに翻訳し直す。
「幾何 → 代数 → 幾何」の往復が形状決定の定跡だ。
まず余弦定理で辺の式に直す。
を与式に代入すると
両辺に を掛けて分母を払うと
見た目は4次式でこわいが、やることは展開と整理だけだ。
整理して因数分解する。 展開すると
両辺の を消して左辺に集めると
ここからが因数分解の見せどころ。 を含む項と含まない項でグループ分けする。
なので、共通因数 がくくり出せて
途中で で割ってはいけない。 の可能性を勝手に消すことになるからだ。割らずに、くくる。
各因数を図形の言葉に翻訳する。
、 なので は を意味する。また は、三平方の定理の逆により を意味する。
結論。 は
だ(両方を同時に満たす直角二等辺三角形も含まれる)。
振り返り。 形状決定の失点パターンは決まっている。①因数分解の途中で で割ってしまい、二等辺の場合を落とす。②因数 を『直角三角形』とだけ書いて、どの角が直角か()を明示しない。この2つだ。『割らずにくくる』『因数はすべて拾い、図形の言葉に正確に翻訳する』。この2つを守れば、どんな形状決定にも同じ手順で立ち向かえる。
発展 — 一歩先へ。 形状決定でいちばん怖いのは、途中で場合を落とすことだ。それを防ぐ見方がある。
条件式 を辺だけの式に直すと 。この式は と を入れ替えても、左辺と右辺がちょうど入れ替わるだけで全体は変わらない。移項して差を とおいた形は、入れ替えで符号が反転する(反対称)から、必ず を因数にもつ。だから「 の二等辺」は初めから約束された解なのだ。
残りの因数 が、もう一つの特殊な形(直角)を決める。条件が について対称なら二等辺が、非対称な残りが直角を生む。この「対称性から二等辺因数を先読みする」目は、どの形状決定でも武器になる。
の二等辺三角形、または の直角三角形
別解
別解 — 正弦定理で角の式に翻訳するルート(得意な人向けの視点)。 辺を消して、代わりに角だけの式にしてみる。
正弦定理より 、( は外接円の半径)。これを条件 に入れると、両辺の が消えて
( を使った。) の範囲で となるのは、 か のとき。
前者は 、すなわち の二等辺三角形。後者は 、つまり の直角三角形。この解き方は「割る」操作をしないので、場合を落とす心配がない。辺の因数分解で攻める本解と、まったく同じ 通りの結論に達する。
ポイント
- 形状決定は「角の式 → 余弦定理・正弦定理で辺だけの式 → 因数分解」の流れ
- 「」の各因数がそれぞれ1つの形状に対応する。全部挙げる
- (辺は正)、(三平方の逆)
よくある間違い
- で両辺を割ってしまい、 の二等辺三角形の場合をまるごと落とす。
- 因数 を「直角三角形」とだけ書き、直角が最長辺 の対角 であることを示さない。
- か の片方だけを解にして、「または」で結ぶもう一方を書き忘れる。