数学I / 図形と計量

三角形の面積公式

★ 基礎面積

問題

において、 であるとき、 の面積 を求めよ。

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2辺とそのはさむ角から面積を出す。カギは『高さ』の作り方 — 一方の辺に角をかけると、底辺への高さが現れる。高さは『上向きの成分』だから、 ではなく…どちらを使う?

解答・解説

方針

面積公式 。なぜ なのかを知れば、もう忘れない。

は『頂点 から底辺 に下ろした高さ』のこと。つまりこの公式は、小学校で習った『底辺 × 高さ ÷ 2』の高さを、三角比で書いただけだ。

使う角が必ず『2辺にはさまれた角』なのも、この由来からわかる。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 三角形の面積といえば「底辺 高さ 」。しかしこの問題では高さが与えられていない

与えられているのは 辺()と、そのはさむ角()

この公式は「 辺とはさむ角があれば面積が出る」と言っている。 が高さの役目を引き受けているのだ。

余弦定理・正弦定理と同じく、与えられた形( 辺+はさむ角)が道具を指定する。まず何が与えられているかを確認する癖をつけたい。

30°ABC644 sin 30°
S = 1/2 × 6 × 4 sin 30°(4 sin 30° が高さ)

2辺 とその間の角 がわかっているので、面積公式を使う。

公式三角形の面積 ( とはさむ角 )

なので

公式の意味を図で確かめよう。 は、頂点 から直線 に下ろした高さだ。つまり『底辺 × 高さ ÷ 2 』。小学校の面積公式と同じ計算をしている。 を使うミスは、『高さは上向きの成分だから 』という由来を思い出せば防げる。

発展 — 一歩先へ。 辺の長さ を固定したまま、はさむ角 だけを動かすと面積 はどう変わるか。 で最大 をとるから、

辺の長さが決まっているとき、面積が最大になるのは直角のとき。角を開きすぎても閉じすぎても面積は減る — の山型がそれを教えている。今回なら最大面積は で、 での はその半分だ。

辺だけが分かっているときはヘロンの公式 (ただし は周の半分)が使える。角を経由せずに面積が出る驚くべき公式で、余弦定理から導ける。「何が与えられたか」に応じて面積公式を使い分ける 辺+はさむ角なら 辺ならヘロン、底辺と高さなら小学校の公式、である。

別解

公式 を暗記していなくても、小学校の「底辺 高さ 」だけで解ける。むしろこちらが公式の正体だ。

手順1: 底辺を決める。 を底辺にしよう。

手順2: 高さを三角比で出す。 頂点 から直線 に垂線 を下ろす。すると の直角三角形で、斜辺が だ。

高さは 。三角比の定義そのもの(斜辺 = 高さ)を使っただけである。

手順3: 小学校の公式に入れる。

同じ答えが出た。

この 手順をまとめると、公式そのものになる。

は「斜辺を高さに変換する係数」 — 公式の の正体はこれだ。覚えていなくても、垂線を 本下ろせばその場で作り直せる。

なお が鈍角でもこの公式は成り立つ。垂線の足 が辺 の外に出るが、高さは ( は鈍角でも正)のままだからだ。鈍角でも面積公式は無修正で使える で常に非負であることの、実用上の恩恵である。

ポイント

  • 使う角は必ず『2辺にはさまれた角』
  • が『高さ』を表しているという図形的な意味を理解する

よくある間違い

  • ではなく を使ってしまう(面積は )
  • を掛け忘れる
  • はさむ角ではない角( など)の を使う