数学I / 図形と計量

余弦定理(3辺から角を求める)

★ 基礎余弦定理角の決定

問題

において、 であるとき、 の大きさを求めよ。

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3辺が全部わかっている。ここから角を出すには、辺だけで を表せる関係を使う。分子で引くのは『求めたい角の真向かいの辺』の2乗 — どの辺かを図で確かめてから代入しよう。 が負なら、その角は鋭角・鈍角どちら?

解答・解説

方針

3辺が全部わかっている。このときは余弦定理を について解いた形を使って、角のほうを求める。

。分子の形は『はさむ2辺の2乗の和 対辺の2乗』。引くのがどれかを間違えないこと。

計算した が負になったら、その角は鈍角だ。符号が角の種類まで教えてくれる。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 今度は 辺がすべて分かっていて、角を聞かれている

余弦定理を角について解いた形を使う。

は求めたい角 対辺()、 ははさむ 辺()。分子の引き算に来るのが対辺、ここを取りちがえないこと。

出た なら角は鈍角。負号を見て「計算ミスだ」と思わないように — が飛び抜けて長く、その向かいは大きな角になるはずだ。

120°ABC357
3辺が 7・5・3 の三角形(∠A は鈍角)

とおく。

公式余弦定理(角を求める形)

この式に代入する。分子で引くのは、求めたい角 の対辺 の2乗だ。

が負。この時点で は鈍角だとわかる。 になるのは

ここで前に習った『鈍角の三角比』が効く。 を見て反射的に と答えたら、符号の見落としだ。

確かめ: は最大の辺 の向かいの角。だからこの三角形で最も大きい角のはず。 という答えはそれと合っている。

発展 — 一歩先へ。 の大小で角の種類が決まる、という判定は三平方の定理の拡張として整理できる( は最大辺とする)。

  • 鋭角三角形
  • 直角三角形(三平方の定理)
  • 鈍角三角形

余弦定理 分子の符号が、そのままこの判定になっている(分母 は常に正)。 つの式が つの場合を統一的に説明する — これが定理を「三平方の一般化」と呼ぶゆえんだ。

なお をもつ整数三角形で、()を満たす。 版の とペアで、整数論(アイゼンシュタイン整数)にもつながる美しい関係である。

別解

面積を先に出して から攻めるルートも見ておこう。ここには大事な落とし穴があり、それを知ることが本問の値打ちである。

手順1: ヘロンの公式で面積を出す。 辺だけから面積が出る公式だ。 として

手順2: 面積公式から を逆算する。 を入れて

手順3(ここが急所): だけでは角が決まらない。 には、これを満たす角が

つが候補になる( の方程式は解が 個、を思い出そう)。 は鋭角と鈍角を区別できないのだ。

手順4: 鋭角か鈍角かを別の手段で決める。 三平方の定理との比較で判定する。

— 直角のとき()より対辺が長すぎる。つまり角 は直角より開いている。よって鈍角で

教訓が つある。

  • は符号だけで鋭角・鈍角を判定できる(正なら鋭角、負なら鈍角)。だから角を求めるときは を使う余弦定理が第一選択。 経由は 通りの候補を残してしまう。
  • 大小比較だけで、角の種類(鋭角・直角・鈍角)が分かる。 辺を見た瞬間に と気づけば、答えが 側だと計算前に見当がつく。

ポイント

  • 3辺既知なら (余弦定理の変形)で角を求める
  • 分子は『はさむ2辺の2乗の和 − 対辺の2乗』
  • の符号で鋭角・直角・鈍角がただちに判定できる

よくある間違い

  • 分子の引き算に対辺以外の辺を持ってきてしまう( は求める角の対辺)
  • が負になった時点で計算ミスだと思い込む(鈍角なら負が正しい)
  • から と答える(符号を落として鋭角にしてしまう)