数学I / 図形と計量

正弦定理(辺と外接円の半径)

★ 基礎正弦定理外接円

問題

において、 である。

(1) 辺 の長さを求めよ。

(2) の外接円の半径 を求めよ。

ヒントを見る

『2つの角と1辺』がそろった配置。角と、その真向かいの辺をペアにすると、等しい比が作れる。まず各辺が『どの角の向かいか』を図で対応づけてから、その比を立てよう。

解答・解説

方針

どの定理を使うか、見分ける問題だ。与えられたのは『2つの角と1辺』。この組み合わせを見たら正弦定理を使う。 だ。角と対辺のペアが作れるから、この定理が効く。

注意は対応づけだけ。 は『角 の対辺』 のこと。 を端にもつ辺ではない。ここを間違えなければ、正弦定理は終わったも同然だ。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 正弦定理は「辺とその向かいの角」をペアで結ぶ。

( は角 の対辺、 は外接円の半径。)

使うときは「 組のうち つが分かれば、残り つが出る」。

は角 の対辺()、 — このペアが揃っている。 は角 の対辺()で 辺と対角のペアで考えるのが正弦定理の要点だ。

45°60°BCA62√6外接円
∠A = 60°、∠B = 45°、BC = 6 と外接円

まず対応の確認から。角 の対辺が 、角 の対辺が だ。図で『角の向かい側の辺』を指さして確かめてから式を立てる。

定理正弦定理 ( は外接円の半径)

(1) 正弦定理 より

よって だ。分数の中に分数が入る形になるが、 が約分される。落ち着いて処理すればきれいになる。

(2) 正弦定理のもう1つの顔 を使う。外接円の半径が正弦定理から出るのは意外かもしれないが、これが正弦定理の本体だ。

まとめ: を忘れて とするミスが多い。『』までを1つの公式として、声に出して覚えたい。

発展 — 一歩先へ。 正弦定理は「大きい角の向かいには長い辺」を数値化したものだ。 で増加するので、角が大きいほど対辺も長い — 今回なら だから ✓。答えの大小関係が角の大小と合っているか、最後に確認したい。

という量が出てくるのは、円周角の定理が背景にあるからだ。外接円で弦 に対する円周角が のとき、 — これは円周角の定理の三角比版。正弦定理は、円の幾何学の言い換えである。だから外接円の半径が自然に登場する。

(1) (2)

別解

正弦定理を使う順序にコツがある — 先に を求めておくと、以降の辺がすべて掛け算 回で出る。

手順1: 完全なペアから を出す

が揃っている。

外接円の半径 — (2)の答えが先に出た

手順2: を使って他の辺を出す

正弦定理を の形で使う。

掛け算 で終わり。比例式を立てて交差乗算する手間がない。

この形で覚えておくと、(角 の対辺)も同じく で即座に出る。

は三角形の "変換係数" — すべての辺が「 対角の 」で表せる。正弦定理の本質は「辺と が比例し、その比例定数が 」ということだ。 を聞かれていなくても、まず を出すのが定跡である。

検算: の値がどのペアでも同じか確かめる。 ✓ — 一致した。

ポイント

  • 正弦定理
  • 小文字 は、それぞれ角 の対辺。対応を最初に書き出す
  • 『2角と1辺』または『外接円の半径』が現れたら正弦定理

よくある間違い

  • を角 の対辺と勘違いして式を立てる
  • を忘れて としてしまう
  • の繁分数の計算を誤る(分母分子に を掛ける)