数学I / 図形と計量
三角比を含む方程式
問題
とする。次の等式を満たす を求めよ。
(1)
(2)
(3)
ヒントを見る
単位半円の上で点を探す問題。 なら『高さ( 座標)が の点はどこ?』と考える。水平線を引くと半円と何か所で交わる? なら縦線で。交点の数がそのまま解の数になる。
解答・解説
方針
三角比の方程式は、単位半円の上で点を探す問題として解くとわかりやすい。
なら『 座標が の点はどこ?』と考える。高さ の水平線を引くと、半円と2か所で交わる(鋭角に1つ、鈍角に1つ)。
なら縦線で探す。こちらは1か所しか交わらない。
解が何個あるかが図から見える。これが半円で解くいちばんの利点だ。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 三角比の方程式は、 の範囲で、その値になる角をすべて探すのが仕事だ。
急所は解の個数である。
- の方程式: 上半円で同じ高さの点は左右に つある( と )→ 解が 個になりやすい
- の方程式: 座標は まで単調に減るので、同じ値の点はただ つ → 解は 個
(1)の は と の 個。 を忘れるのが最頻ミスである。
の範囲で、半円上の点の座標を手がかりに考える。
(1) は、半円上で 座標が になる角。高さ の水平線を引くと、半円と2か所で交わる。鋭角側の と、対称な鈍角側 ()だ。
だけ答えて鈍角側を落とすのが、この型で最も多いミス。『()は解2つ』と、交点の個数で覚えたい。
(2) は、 座標が になる角。 なので、 より
こちらは解が1つだけ。〜 では 座標は から へ一方通行で動くので、縦線は1回しか交わらない。 と で解の個数がちがう、という対比を図で押さえておく。
(3) 。 なので、 より
まとめ: が負になるのは鈍角のとき。符号から『答えは鈍角側』と当たりをつけてから探すと速い。
発展 — 一歩先へ。 の解が 個なのは、〜 で が単調減少( から へ一直線に減る)だからだ。単調な関数は、同じ値を 度とらない — 単調性が解の一意性を保証する、という論理は数学全体で使われる。
一方 は で最大 をとる山型なので、同じ値を 度とる。だから解が 個。関数の増減の形が、方程式の解の個数を決める — 次関数のグラフと 軸の交点の議論と同じ構図が、ここにも現れている。
数IIで角の範囲を 〜 に広げると、 の方程式も解が 個になる(下半円にも交点ができる)。解の個数は、考える範囲によって変わる — 範囲の確認が常に最初の一手である。
(1) (2) (3)
別解
解の個数を単位円の絵で確定させれば、書き漏らしが構造的になくなる。
(1) のとき。 は 座標だ。上半円で「高さが 」の点を探す。水平線 を引くと、円と か所で交わる(右上と左上)。
水平線は円を 回切る — だから の方程式は解が 個になる(値がちょうど のときだけ 個)。
(2) のとき。 は 座標だ。「横位置が 」の点を探す。垂直線 を引くと、上半円では か所しか交わらない(下半分の交点は範囲外)。
垂直線は上半円を 回だけ切る — だから の方程式は解が 個だ。
(3) のとき。 が負なので鈍角だと分かる。 だから、補角の で となる。
「 は水平線で 交点、 は垂直線で 交点」 — この絵を持てば、解の個数で悩まない。 の問題で答えを つしか書かない、という減点が消える。
検算は代入で。 ✓ — 補角の公式が、もう つの解の存在を保証している。
ポイント
- ()の解は鋭角と鈍角の2つ、 の解は1つ
- 単位半円で『 座標』『 座標』を探すイメージをもつ
- 負の値なら鈍角(あるいは なら より大きい角)と当たりをつける
よくある間違い
- (1)で を忘れて だけ答える
- (2)で と答える(符号を確認していない)
- の方程式でも解を つ書く(〜 では の解は つ)