数学I / 図形と計量

180°−θ・90°−θ の公式で鋭角の三角比に直す

★ 基礎90°−θ・180°−θの公式

問題

次の三角比を、鋭角の三角比で表せ。

(1)

(2)

(3)

ヒントを見る

半端な鈍角は『 から引くといくつ?』を考えると鋭角に直せる。あとは はそのまま、 の符号がどうなるかだけ — 単位半円で点の位置から判断しよう。

解答・解説

方針

のような半端な鈍角も、鋭角の三角比で表せる。表に値がなくても、『鋭角に直せる』こと自体に意味がある。

手順は毎回同じだ。① の形に直す。②公式で書きかえる( はそのまま、 はマイナスをつける)。

単純作業に見えるが、事故のもとが2か所ある。 からの引き算と、符号だ。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 「鋭角の三角比で表せ」— の公式を使って、角を 未満に落とす。

(1) (符号そのまま)

(2) (マイナス)

計算の中身は「 から引く」だけ。 は符号そのまま、 はマイナス — この 行を守れば終わる。

Oxy1−120°160°
20° と 160° = 180° − 20° は y 軸に関して対称(sin の値が等しい)
公式

(1) なので

図で納得しておく。 の点は、 軸をはさんで左右対称の位置にある。高さ( 座標 )は同じ。だから にマイナスはつかない。

(2) なので

左右対称の点では、 座標()は符号だけ反転する。だからマイナスがつく。

(3) なので

まとめ:なお、 の公式も使うと、(2)は とも書ける。表し方は1通りではない。鋭角の三角比で表せていれば、どの形でも正解だ。

発展 — 一歩先へ。 の公式( など)も、あわせて押さえたい。こちらは余角の関係で、直角三角形の つの鋭角の関係()そのものだ。

  • 補角 : は不変、 は符号反転( 直角から引く)
  • 余角 : 入れ替わる( 直角から引く)

つの公式は役割が違う。補角は「鈍角を鋭角に直す」、余角は「 を行き来する」— どちらも単位円の対称性(左右反転・対角線反転)から導ける。単位円 枚が、公式群の生成装置である。

(1) (2) (3)

別解

符号の を、単位円の象限で判定すると確実だ。

の角は、単位円の上半分にいる。 を境に つの象限に分かれる。

角の範囲 象限 ( 座標) ( 座標)
(右上)
(左上)

鈍角( 超)では が負、 は正のまま

これを 問に当てはめる。

  • (1) は鈍角 →
  • (2) は鈍角 →
  • (3) は鈍角(かろうじて 超)→

「符号は象限で決まる、大きさは補角( から引いた角)で決まる」 — この 段で考えれば、公式を つ覚える必要はない。

(3)の をわずかに超えただけだが、 の符号は急激に反転する()。 は定義されない — で分母が になるからだ。 付近の の激変は、単位円で 座標が を横切ることの現れである。

ポイント

  • 鈍角を見たら『 引くといくつか』をまず計算する
  • の公式と組み合わせると を行き来できる

よくある間違い

  • にも負号をつける
  • のような引き算を暗算ミスする
  • 補角をとらずに 等と誤変換する