数学I / 図形と計量

三角比の相互関係(tan から sin・cos)

★ 基礎相互関係

問題

は鋭角とする。 のとき、 の値を求めよ。

ヒントを見る

は直接つながらない。でも両辺をあるもので割ると、 を結ぶ第2の関係式が現れる。それを使って の順にたどろう。

解答・解説

方針

今度は からの出発だ。 を直接つなぐことはできない。

そこで、両辺を で割ってできる第2の相互関係 を橋にする。 の順に、芋づる式に求めていく。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 から出発するときの相互関係は

( の両辺を で割った形。)

を代入すると 、つまり

鋭角なので (有理化)。 から

公式相互関係

まず これに を入れる。

右辺が ではなく、その逆数になっている点に注意。ここを取りちがえると という変な値が出る。 以下のはず、という感覚があればミスに気づける。 は鋭角なので 。有理化して

次に を変形した を使う。

検算: 。ちゃんと成り立つ。

イメージでも確かめられる。底辺 、高さ の直角三角形なら斜辺は 。そこから が読み取れる。公式で出した値と絵が一致する。

θ12√5
tan θ = 2 となる直角三角形(底辺 1・高さ 2)

発展 — 一歩先へ。 という値は、傾き の直線が 軸となす角でもある。 の直線を描けば、 軸との角が は「傾き」の別名だ()。図形と方程式(数II)で「 直線のなす角」を で求めるのは、この対応が理由である。

つの相互関係()のうち、独立なのは最初の つだけ つ目は前 つから導ける。覚える公式は少ないほどよい、という原則からすると、 つ目は「導ける便利式」として扱えば十分だ。

別解

ここでも三角形を描くルートが速い。公式を つも使わずに済む。

とは「対辺 、隣辺 」の直角三角形のこと。

斜辺は三平方で

辺が と揃った。定義から読むだけだ。

公式 を覚えていなくても解ける — 三角形を描けば、必要な情報は全部そこにある。

しかもこの絵は、公式の意味まで教えてくれる。斜辺の 乗は ()で、 だから

公式は、この三角形の三平方の定理を書き直しただけだったのだ。

検算も忘れずに。 ✓、 ✓ — つの関係が両方成り立てば、まず間違いない。

ポイント

  • から出発するときは を使う
  • の変形で につなぐ
  • 答えは分母を有理化した形に整える

よくある間違い

  • の右辺を と誤記して逆数を忘れる
  • 有理化を忘れて のまま答える(誤りではないが、指示があれば整える)
  • を「対辺 ・斜辺 」と読み違える(斜辺ではなく隣辺が )