数学I / 図形と計量
三角比の相互関係(sin から cos・tan)
問題
は鋭角とする。 のとき、 と の値を求めよ。
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3つの三角比は1本の関係式(2乗の和が )でつながっている。 がわかれば が引き出せる。ただし2乗から戻すとき符号の分かれ道がある — 『鋭角』の一言がそれを決めることに注目。
解答・解説
方針
の値だけから、 と を出す。三角形の絵がなくてもできる。
カギは相互関係 。この式が3つの値をつないでいる。 がわかれば が出て、 が出れば も出る。
ただし1か所だけ注意。2乗から戻すとき、 か かを選ぶ必要がある。それを決めるのが『 は鋭角』という条件だ。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 使う道具は相互関係
を代入すると 、よって 。
ここで符号を決める — は鋭角(問題文にある)なので 、だから 。
のまま答えるのが最頻ミス。角の範囲を必ず確認して符号を確定する — これが三角比の計算の作法である。
まず 。 相互関係 を について解く。
ここで の2択が出る。2乗の情報だけでは符号が決まらないからだ。決め手は『 は鋭角』。鋭角なら なので
次に 。 に入れる。
この答えは、辺が の直角三角形を思いうかべると確かめられる。 は、まさにこの三角形の話だ。
発展 — 一歩先へ。 は、三平方の定理そのものだ。斜辺 の直角三角形を描けば、対辺が 、隣辺が — 平方で 。「相互関係」という名前だが、中身は中学の定理である。
この式は角度が何であれ成り立つ( でも、鈍角でも、数IIで学ぶ 超でも)。単位円()の上の点が だから、円の方程式がそのまま相互関係になっている — 三角比の理論は、単位円の幾何学である。
、
別解
計算せず、直角三角形を描いて三平方で解くこともできる — こちらは符号の迷いが原理的に起きない。
とは「対辺 、斜辺 」の直角三角形があるということ( は鋭角なので、実際にそういう三角形が描ける)。
残りの隣辺は三平方の定理で
–– の三角形だ。 辺が揃えば、定義から直接読める。
辺の長さは正なので、符号の問題が発生しない — これがこの方法の最大の利点だ。 を書いて「鋭角だから正」と論じる手間が省ける。
ただし鈍角()では、直角三角形が描けないので相互関係の式で処理する必要がある(そのとき は負)。
- 鋭角なら三角形を描く(速い・確実)
- 鈍角を含むなら相互関係 符号の吟味(汎用)
つを使い分けられると、三角比の計算が一段速くなる。 も と分数の割り算で出るが、三角形なら で一瞬だ。
ポイント
- 、 が相互関係の基本
- 2乗から戻すときは符号の判断が必要。『鋭角』なら
- 有名な比( など)の直角三角形を思いうかべると検算になる
よくある間違い
- のまま符号を決めずに答える
- の分数の割り算で逆数を掛け忘れる
- を と誤解して計算する()