数学I / 図形と計量

正四面体の計量(角・高さ・体積)

★★★ 応用空間図形正四面体体積

問題

1辺の長さが の正四面体 がある。辺 の中点を とする。

(1) の値を求めよ。

(2) 頂点 から底面 に下ろした垂線の長さ を求めよ。

(3) 正四面体 の体積 を求めよ。

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立体はうまい平面で切って平面問題に。(2)の急所は、頂点 から下ろした垂線の足がどこに落ちるか — の対称性から、底面のある特別な点に一致する。それはどこ?

解答・解説

方針

正四面体を前に、どこから手をつけるか。基本の考え方は『立体の問題は、うまい平面で切って平面の問題にする』だ。

(1)は辺 の中点 を通る断面 に注目する。中線 の長さは正三角形の中でわかるので、3辺がそろって余弦定理が使える。

(2)のカギは、頂点 から下ろした垂線の足 が底面の重心に一致すること( の対称性による)。重心の性質『中線を に内分』で がわかれば、三平方の定理で高さが出る。

(3)は錐の体積公式で仕上げる。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 正四面体を前に、まずどこを切るかを決める。

中点 を通る対称面 で切る。この 枚に、必要な量が全部乗る。

高さも体積も、この断面の中の直角三角形の計算に帰着する。

HMABCD6
正四面体 ABCD(M は BC の中点、H は A から底面への垂線の足)
定理三平方の定理 ( は斜辺)
公式余弦定理(角を求める形) 、錐の体積 ( 底面積、 高さ)

(1) は1辺 の正三角形なので、中線 と垂直に交わる。直角三角形 で三平方の定理より

同じように だ。これで断面 の3辺 がそろった。3辺から角を求めるのだから余弦定理だ。

(この角は、正四面体の『辺 を折り目とする面と面のなす角』、つまり二面角と呼ばれる量だ。断面を取ると、立体の角がただの三角形の角になる。これが最初に言った考え方の意味だ。)

(2) 垂線の足を とする。 の位置を特定するのが、この小問の核心だ。 なので、 から等距離、つまり の外心。そして正三角形では外心と重心が一致するので、 の重心だ。

重心は中線 を頂点から に内分するので

直角三角形 で三平方の定理より

(3) 底面 は1辺 の正三角形なので

よって体積は

振り返り。 使った道具は三平方・余弦定理・重心の性質・体積公式と、どれも単体では基本レベルだ。難しさは道具ではなく『どの平面を切り出すか』『 がどこに落ちるか』という空間の見取りにあった。特に『等距離 → 外心 → (正三角形なら)重心』という筋道は、正四面体に限らず対称性のある立体すべてで通用する。結果の より、この筋道を持ち帰ってほしい。

発展 — 一歩先へ。 で求めた は、辺 を折り目とする面 と面 のなす角、いわゆる二面角だ。

正四面体には、もう つ有名な角がある。全体の中心から 頂点を見込む角で、その余弦は 。この角 は、化学でメタン分子の結合角として現れる。 つの角の余弦が 、和がちょうど になるのは偶然ではない。

体積のほうも、 の正四面体では という一般公式にまとまる。 を入れると で、確かに一致する。

(1) (2) (3)

別解

別解 — 座標を置いて成分計算で押すルート(得意な人向けの視点)。 底面 を水平面に置き、すべて成分で計算する。

を原点にとり とすると は中点になる。 が正三角形になる位置 ()。頂点 は底面の重心の真上にあり、 とおくと を満たす。

から見て

高さは 座標そのもので (底面が がその真上だから)。体積は 。断面と重心で攻める本解と、同じ値になる。

ポイント

  • 正四面体の計量は「正三角形の中線 」と「重心の 内分」が部品になる
  • 空間の角は、3辺の長さがそろう三角形を見つけて余弦定理に帰着させる
  • 頂点から等距離 → 垂線の足は外心。正三角形なら重心と一致

よくある間違い

  • 垂線の足 を辺 の中点 と混同し、 をそのまま高さとして を誤る。
  • 重心が中線を分ける比を と逆にとり、 として高さがずれる。
  • どの平面で切るかを決めずに立体のまま各辺を追い、余弦定理を使う三角形が定まらず手が止まる。