数学I / 図形と計量
sinθ+cosθ の値から各三角比を決定
問題
で
であるとき、次の値を求めよ。
(1)
(2)
(3) 、、
ヒントを見る
和 → 積 → 差 → 個別、と対称式をたどる。山場は差の符号決定。積が負とわかったことと、この範囲で が動く向き、この2つを重ねると の符号まで絞れる。
解答・解説
方針
という1本の式から、、、 をすべて確定させる問題だ。段取りはこうなる。
(1)2乗して積 を出す。(2)差 を出す。(3)和と差を連立すれば、足して 、引いて が個別に取り出せる。
山場は(2)の符号決定だ。 の平方根には の2択が出る。でも(1)で積が負とわかること、 で であることを組み合わせると、 の符号まで決まって2択が1つに絞れる。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 本の式から つの値をすべて確定させる。段取りの設計が主役だ。
まず和を 乗して積を出す。ここで隠れた式 を使う。
和と積が分かれば 数を復元できる。これは対称式の定跡だ。
そこへ「積が負だから のほうが負」という符号の推理が加わる。
(1) の両辺を2乗して、 を使うと
積が負。この符号は後で効いてくるので覚えておく。
(2) 差を直接求めることはできないので、まず2乗の値を計算する。和の2乗との違いは、中央の項の符号だけだ。
よって 。ここで安易に正を選んではいけない。根拠を積み上げて符号を決める。
では だ。(1)より 、つまり2つは異符号なので、 かつ と決まる。したがって は(正)(負)で正だ。
(3) 和と差を連立する。
辺々加えて より 。辺々引いて より 。
検算: ✓、 ✓
振り返り。 『和 → (2乗して)積 → 差 → 連立で個別の値』という流れは、対称式から元の2数を復元する定番の道すじだ。計算はほぼ機械的に進むが、唯一頭を使うのが(2)の符号決定。そしてそこで効くのは計算ではなく、『この範囲では は負にならない』という定義域の知識だった。難しい問題ほど、最後の分岐を決めるのは基本事項だ。
発展 — 一歩先へ。 そもそも和 を つ決めるだけで、なぜ積や差まで芋づる式に決まるのか。
理由は、 と が独立ではなく、たった つの角 で同時に決まるからだ。この拘束が 、すなわち単位円の方程式そのもの。だから和を とおくと、積は必ず に定まり、差の 乗も と決まってしまう。
合成すると だから、和が取れる値は に限られる。今回の はこの幅の中に収まっており、解がちゃんと存在することも同時に分かる。
(1) (2) (3) 、、
別解
別解 — 単位円と直線 の交点として一気に求めるルート(視覚で捉える)。 、 とおくと、点 は単位円 の上にあり、条件 は直線 を表す。
求めるのは、この円と直線の交点だ。 を円の式に代入する。
よって または 。 では 、すなわち が要る。これを満たすのは のほうだけだ。
このとき 、、。差 もその場で読める。和と積を行き来する本解と、同じ結論に着く。
ポイント
- 和 → 2乗して積、積 → で差、と対称式の道具でつなぐ
- 差の符号は「 と積の符号」から論理的に決定する(勘で選ばない)
- 和と差がそろえば、加減して が個別に取り出せる
よくある間違い
- から を出したところで、根拠を示さず正の側を選んでしまう。
- 符号を決める段で の範囲を使わず、 の場合まで延々と調べ続けて時間を失う。
- 和と差を連立するとき、足して ・引いて の対応を取り違え、 などとする。