数学I / 数と式

絶対値の和の最小値

最難関編絶対値最大最小

問題

実数 に対し とする。 の最小値を求めよ。

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の和は、 を右に動かすと「左にある点の数 右にある点の数」が傾き。点は100個(偶数)。傾きが をまたぐのはどこか。最小はその区間で、値は左右対称に足せる。

解答・解説

方針

は折れ線で、傾きは が点 を1つ越えるごとに ずつ増える。傾きが負から正に変わる=中央(50番目と51番目のあいだ)で最小。そこでの和を計算する。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 の和 は、下に凸な折れ線になる。 を少し右へ動かすと、 より左にある点への距離は ずつ増え、右にある点へは ずつ減る。つまり、傾き (左の点の数)(右の点の数)だ。

点は の100個(偶数)。 では左に50個・右に50個で傾き 。ここが平らな底で、最小になる。

あとは中央のまわりで、各点への距離を足し上げればよい。

重要 は中央値で最小(点の個数が偶数なら、中央2点にはさまれた区間すべてで最小)

① 最小の位置。 の中央は50番目と51番目。 で傾きが となり、 はそこで一定・最小になる。 で計算する。

xyO12344
n=4 の例: |x−1|+|x−2|+|x−3|+|x−4|。点を越えるたび傾きが+2ずつ変わり、中央の2点の間 [2,3] が平らな底(最小4)。100個でも同じ形で、底は [50,51]

② 距離を並べる。 から各点への距離は

左側()が 。右側()が だ。

③ 和。

よって最小値は ()。

まとめ: 絶対値の和は中央値で最小。この一般則を「傾き=左右の個数差」で理解するのが急所だ。偶数個だから中央2点のあいだが平らになる。最小値は、中央からの距離を等差数列の和として計算する。

発展 — 一歩先へ。 「絶対値の和(絶対偏差)を最小にする代表値は中央値」。これはデータの分析で学ぶ事実そのものだ(2乗の和を最小にするのは平均値)。100個の点をデータとみれば、本問はその代表値の話を、折れ線の傾きで証明したことになる。

( のとき)

別解

外側からペアにして足す(直感ルート)。 100本の絶対値を、外側から2本ずつ組にする。

まず両端のペア。 は「2点 への距離の和」だから、 がその間にあれば最小値 (2点間の距離)。次のペア は、間にあれば最小 。以下、 の最小 まで、50組できる。

全部足すと

(奇数を1から99まで足すと 。)等号は、 が50組すべての「間」にあるとき。いちばんきつい条件は最内のペアの で、このとき全ペアが同時に等号になる。よって最小値

「2点への距離の和は、間にいれば2点間の距離」という一番素朴な事実だけで、傾きの議論なしに答えへ届く。 という値の正体(奇数の和)まで見えるのがこのルートの収穫だ。

ポイント

  • 傾き=(左の個数)−(右の個数)、中央で
  • 偶数個 → で最小。

よくある間違い

  • 最小の場所を1点(たとえば )だけと答える。点が偶数個のときは、中央の2点にはさまれた区間 全体で最小。
  • 傾きの変化を と数える。点を1つ越えるたびに「左が1増え右が1減る」ので、傾きは ずつ変わる。
  • 和の計算で左右の本数を取り違える( なら左は49本、右は50本)。距離の列を書き出してから足す。