数学I / 数と式
ソフィー・ジェルマンの恒等式(因数分解と素数判定)
問題
(1) が成り立つことを示せ。
(2) これを用いて、 以上の整数 に対し は素数でない(合成数である)ことを示せ。
ヒントを見る
に を足して引くと 。平方の差で因数分解。(2) は 、 で両因子 。
解答・解説
方針
に を足して引き、 の平方をつくる(平方の差)。(2) は を代入し、両因子が より大きいことを示す。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 は2乗の和の形で、そのままでは因数分解できない。定石は「真ん中の項を足して引いて、平方の差を作る」だ。
を展開すると 。与式との差はちょうど 。つまり
与式 — 平方の差になり、和と差の積に割れる。
(2)は を代入するだけ。ただし「素数でない」と言い切るには、両方の因子が より大きいことの確認が本体になる。
① 因数分解する。 平方の差より ② に適用。 とすると ③ 両因子が 以上。 、。 なら で、。よって は より大きい つの整数の積=合成数(素数でない)。
まとめ は を足し引きして平方の差にすると割れる。 で なら合成数。因数分解と整数の融合。
発展 — 一歩先へ。 この恒等式はソフィー・ジェルマンの恒等式と呼ばれ、「 型は(自明な場合を除き)合成数」という判定に広く使える。有名な応用が「()は合成数」— が偶数なら偶数で即決、奇数なら と読み替えて、この恒等式がそのまま刺さる。ちなみに なら という速攻もあるが、 が5の倍数のときに効かない — 恒等式は全部の を一撃で倒す。
と平方の差に整えて因数分解。 とすると で、 なら両因子とも 以上。
別解
因子の正体を予想してから展開で確かめる(データから発見する)。 小さい で素因数分解してみる。
- :
- :
- :
因子を並べると / / — よく見るとどれも「平方 」だ(、、、、)。しかも平方の中身は と 。そこで
と予想して、右辺を展開すると — 的中。 なら小さい方の因子 で、合成数が確定する。
恒等式の変形(本解)は「作り方」を、データからの予想は「答えの形の意味( の平方 )」を教えてくれる。実験→予想→証明の3拍子は、整数がらみの問題の万能の入り口だ。
ポイント
- (平方の差)。
- 。
- で両因子 、合成数。
よくある間違い
- (2)で因数分解を示しただけで「素数でない」と結論する。因子が になる可能性(実際 では で は素数)を潰す一段が本体。
- 足して引く項を でなく と混同し、平方の差の形が組めない。
- の展開で真ん中の項 の係数を誤る。