数学I / 数と式
展開・因数分解を利用した証明
問題
を整数とする。連続する2つの偶数 、 の積に を加えると、奇数の2乗になることを証明せよ。
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左辺 を展開して整理すると? その式が『何かの2乗』の形にまとまることを示す。最後に、その『何か』が奇数だと言えば完成。
解答・解説
方針
『〜になることを証明せよ』は、式を変形して、目標の形にたどり着けばよい。
ここでの目標は『奇数の2乗』。だから、 を展開して整理し、 の形に持っていく。
は奇数(偶数 に1を足したもの)なので、 になれば『奇数の2乗』が示せる。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 証明問題でも、やることは計算と同じ — ゴールの形を先に式で書いておく。
ゴールは「奇数の 乗」。奇数は の形だから、目指す形は — つまり「与えられた式を展開・整理して、何かの 乗に変形する」が道筋になる。
を展開すると — この形、 の展開そのものだ。ゴールから逆算する目があれば、変形の行き先に迷わない。
連続する2つの偶数 、 の積に1を足した式を、展開して整理する。
が、 の形(、)になっていることに気づくのがポイントだ。
ここで は、偶数 に1を足した数だから奇数。だから は、奇数 の2乗になっている。
よって、連続する2つの偶数の積に1を足すと奇数の2乗になることが示された。(証明終わり)
発展 — 一歩先へ。 別解の「まん中の 乗」の見方を使うと、親戚の命題が次々に証明できる。連続する つの奇数( で は偶数)の積に を足しても — つまり偶数の 乗。さらに「差が の 数の積 はまん中の 乗」と一般化できる。
証明の作法もここで押さえたい。「 を整数とする」と文字で置くことが、無限個の場合を一度に扱う仕掛けだ。数値実験は発見のための道具、文字式は証明のための道具 — 役割を分けて両方使うのが、数学の正しい進め方である。
であり、 は奇数だから、奇数の2乗になる(証明終)
別解
この命題、具体的な数で実験してから見ると、正体が驚くほど素朴になる。
— 出てくる奇数は、いつもかけた 数のまん中の数だ( と のまん中が 、 と のまん中が )。
種明かしは、まん中の数 を主役にする視点にある。連続する つの偶数は、 を挟んで と 。積に を足すと
和と差の積の公式そのもの — と がぴったり打ち消し合って、まん中の数の 乗だけが残る。
本解の は、 とおいたこの計算の変装だった。
「まん中を主役にすると対称になる」— 対称性を利用して式を簡単にする、数学の常套手段の最小例である。実験 → まん中の発見 → 公式で証明、という流れを一度体験しておくと、証明問題への構えが変わる。
ポイント
- 証明は、式を変形して目標の形にたどり着く
- を の形に見抜く( 型)
- は奇数(偶数+1)であることを、はっきり書く
よくある間違い
- 展開しただけ()で止め、2乗の形に変形しない
- が奇数であることの説明を書き忘れる
- 具体的な数()の確認だけで証明としてしまう(すべての で成り立つ論証が要る)