数学I / 数と式

たすき掛けによる因数分解

★ 基礎因数分解たすき掛け

問題

次の式を因数分解せよ。

(1)

(2)

ヒントを見る

の係数が でないので、たすき掛け。 の係数と定数項を、それぞれ2つの数の積に分ける — その組み合わせを、たすきにかけた和が『 の係数』に合うまで試す。まず簡単な分け方から。

解答・解説

方針

の係数が1でないときの因数分解には、たすき掛けを使う。

のような形を目指す。 の係数(たての積)、定数項(たての積)、そして の係数(たすきにかけた和)が、ぴったり合う組を探す。

最初は何通りか試すことになるが、展開して元に戻るか確かめれば確実だ。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 の係数が でない 次式は、「積と和」だけの推理では組が見つからない。

係数の分解(たての積)とまん中の係数(たすきの和)を、同時に合わせる必要がある — それを表にしたのがたすき掛けだ。

の形を目指し、 を満たす組を探す。何通りか試すことになるが、展開で確かめれば確実である。

公式たすき掛け: に分け、 になる組を探す

(1) を因数分解する。 に分けて、たすきにかけた和が の係数7になる組を探す。

うまく7になった。だから

2x²x6x32x1x3
2x²+7x+3 = (x+3)(2x+1)。まん中 x+6x=7x

(2) と分けて、たすきの和を調べる。

の係数 と合った。だから

まとめ:たすき掛けは、合う組が見つかるまで何通りか試すのがふつう。見つけたら、展開して元に戻ることを必ず確かめよう。

発展 — 一歩先へ。 たすき掛けで見つからないときは、そもそも整数の範囲で分解できない場合がある( など)。 次方程式の判別式を学ぶと、「分解できるか」を試す前に判定できるようになる — 無駄な試行を切り上げる根拠が手に入る。

たすき掛けは、 次式の因数分解の中では最も手間のかかる作業だが、この先の 次方程式・ 次関数・ 次不等式のすべてで「まず因数分解できるか」が最初の一手になる。ここでの反射神経が、数I全体の計算速度を決める。

(1) (2)

別解

やみくもに試す前に、符号のパターンを先に決めると候補が半分になる。

定数項の符号を見る。

  • (1) : 定数 が正 → 定数側の 数は同符号 の係数 も正 → 両方プラス。試すのは の組だけ。あとは の係数 に割って、たすきの和が になる並べ方を選ぶ( ✓)。

  • (2) : 定数 が負 → 定数側は異符号(、または )。 の係数 。組み合わせを表にして、たすきの和が になるものを探すと ✓。

「同符号か異符号か」を最初に決めるだけで、試す組の数が半減する。それでも複数試すのがふつう — たすき掛けは当てものではなく、絞り込み だと思えば、 回目、 回目の試行に心が折れない。

ポイント

  • の係数が1でない因数分解は、たすき掛け
  • たての積が の係数と定数項、たすきの和が の係数になる組を探す
  • 見つけた組は、展開して元に戻るか確かめる

よくある間違い

  • たすきの和の計算で、符号を間違える
  • の係数や定数項の分け方を1通りしか試さず、あきらめる
  • たすきの和を「たての積の和」と取り違える(斜めに掛けて足す)