数学I / 数と式
公式による因数分解
問題
次の式を因数分解せよ。
(1)
(2)
(3)
ヒントを見る
展開の公式を逆向きに使う。(1)は定数が平方数で、まん中の項がその 倍 — 何かの2乗に見えないか。(2)は2つの平方の差。(3)は『かけて定数項・たして 次の係数』の2数を探す形。
解答・解説
方針
因数分解は展開の逆だ。展開の公式を、逆向きに使う。
3つの形を見分けよう。(1)(2乗の形)。(2)(2乗 − 2乗)。(3) の形は 。
(3)は、かけて定数項・たして の係数になる2数 を探すのがコツ。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 因数分解は展開の逆再生。与えられた式を見て「これはどの展開公式の結果か」を推理する。
手がかりは項の数と符号だ。 乗が つとまん中の項があるなら完全平方、 乗の差なら和と差の積、 なら 数探し。
(3)は「かけて 、たして 」の 数を探す — 積が負なら 数は異符号、という符号の読みが決め手になる。
(1) 、まん中の に気づくと、 の形だとわかる。
(2) 、 なので、 の形。
(3) かけて (定数項)、たして ( の係数)になる2数を探す。 と だ(、)。
まとめ:2数を探すときは、まず積が になる組(、、…)を書き出し、その中から和が になるものを選ぶとよい。
発展 — 一歩先へ。 「かけて 、たして 」の 数は、実は 次方程式 の解 — 次方程式を学ぶと、 数探しは解の公式で機械的に求まる( の解 が、そのまま因数 の中身)。勘で探していた作業が、後の単元で完全に自動化される。
逆に言えば、因数分解は「 次方程式を解いていた」— の解が であることを、因数分解は先取りしている。因数分解と方程式は同じ事実の表裏で、この対応が数Iの中心軸になる。
(1) (2) (3)
別解
(3)の 数探しを「勘」でなく、符号の推理 → 候補表の 段でやると確実になる。
符号の推理: 積 が負 → 数は異符号。和 が負 → 絶対値の大きい方がマイナス。
候補表(積が になる組を、大きい方をマイナスにして並べる):
| 組 | 和 |
|---|---|
| ✓ |
行目で命中 — だ。
符号の推理を先にやると、候補が半分以下に絞れる(同符号の組を試さずに済む)。積が正なら「 数は同符号、和の符号がその符号」— この 行のルールを持っていれば、 数探しはほとんど機械作業になる。
検算は展開か、 の代入で: 元の式は 、答えは ✓。
ポイント
- 因数分解は展開の逆。公式を逆向きに使う
- 、
- は、かけて定数・たして の係数の2数を探す
よくある間違い
- (3)で2数の符号を間違える(積が負なら、2数は異符号)
- (2)を などとする(和と差の積で、2乗ではない)
- (1)を とする(まん中に があるので完全平方)