数学I / 数と式

公式による因数分解

★ 基礎因数分解公式

問題

次の式を因数分解せよ。

(1)

(2)

(3)

ヒントを見る

展開の公式を逆向きに使う。(1)は定数が平方数で、まん中の項がその 倍 — 何かの2乗に見えないか。(2)は2つの平方の差。(3)は『かけて定数項・たして 次の係数』の2数を探す形。

解答・解説

方針

因数分解は展開の逆だ。展開の公式を、逆向きに使う。

3つの形を見分けよう。(1)(2乗の形)。(2)(2乗 − 2乗)。(3) の形は

(3)は、かけて定数項・たして の係数になる2数 を探すのがコツ。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 因数分解は展開の逆再生。与えられた式を見て「これはどの展開公式の結果か」を推理する。

手がかりは項の数と符号だ。 乗が つとまん中の項があるなら完全平方、 乗の差なら和と差の積、 なら 数探し。

(3)は「かけて 、たして 」の 数を探す — 積が負なら 数は異符号、という符号の読みが決め手になる。

公式因数分解 (まん中が になっていれば完全平方)

(1) 、まん中の に気づくと、 の形だとわかる。

5x5x25x5x5
(x+5)² = x²+5x+5x+25 = x²+10x+25

(2) なので、 の形。

(3) かけて (定数項)、たして ( の係数)になる2数を探す。 だ()。

まとめ:2数を探すときは、まず積が になる組(…)を書き出し、その中から和が になるものを選ぶとよい。

発展 — 一歩先へ。 「かけて 、たして 」の 数は、実は 次方程式 の解 — 次方程式を学ぶと、 数探しは解の公式で機械的に求まる( の解 が、そのまま因数 の中身)。勘で探していた作業が、後の単元で完全に自動化される。

逆に言えば、因数分解は「 次方程式を解いていた」— の解が であることを、因数分解は先取りしている。因数分解と方程式は同じ事実の表裏で、この対応が数Iの中心軸になる。

(1) (2) (3)

別解

(3)の 数探しを「勘」でなく、符号の推理 → 候補表 段でやると確実になる。

符号の推理: 積 が負 → 数は異符号。和 が負 → 絶対値の大きい方がマイナス

候補表(積が になる組を、大きい方をマイナスにして並べる):

行目で命中 — だ。

符号の推理を先にやると、候補が半分以下に絞れる(同符号の組を試さずに済む)。積が正なら「 数は同符号、和の符号がその符号」— この 行のルールを持っていれば、 数探しはほとんど機械作業になる。

検算は展開か、 の代入で: 元の式は 、答えは ✓。

ポイント

  • 因数分解は展開の逆。公式を逆向きに使う
  • は、かけて定数・たして の係数の2数を探す

よくある間違い

  • (3)で2数の符号を間違える(積が負なら、2数は異符号)
  • (2)を などとする(和と差の積で、2乗ではない)
  • (1)を とする(まん中に があるので完全平方)