数学I / 数と式
複2次式の因数分解(置き換えと平方の差)
問題
次の式を因数分解せよ。
(1)
(2)
ヒントを見る
(1)は で普通に。(2)は ではうまくいかない — を展開して元の式とのずれを見ると、そのずれが『何かの2乗』になっていて、平方の差が作れる。
解答・解説
方針
(1)は とおけば、ふつうの2次式の因数分解になる。 を戻したあと、さらに分解する。
(2)は の式()が因数分解できない。そこで2乗を作る。 を にすれば が作れるので、そのぶん増やした分()を引く。すると2乗 − 2乗の形になる。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 (1)は を 文字とみる置きかえで済む。
ところが(2)は、置きかえた 次式 が因数分解できない。ここで手が止まる。
そこで「平方の差を作る」に切り替える。複 次式には『置きかえ』と『平方作り』の つの道がある。片方が塞がったらもう片方、という地図を持っておくのが発想だ。
(1) とおくと 。因数分解して を戻す。
、 をさらに分解して
(2) は、 とおいても となり因数分解できない。そこで2乗を作る。 と から が作れるので、まん中を にして、差の分()を調整する。
2乗 − 2乗の形になったので、和と差のかけ算を使う。
まとめ:『 の因数分解ができないときは、2乗を作って差にする』は複2次式の大事な手だ。まん中の項を、2乗が作れる値に合わせて調整するのがポイント。
発展 — 一歩先へ。 複 次式 が「どこまで割れるか」は、 の 次式 の解で決まる。
(1)は とどちらも平方数だから、 すなわち と つの 次式にまで割れた。
(2)は で、平方数どころか有理数ですらない。だから 次式には割れず、 つの 次式で止まる。 の解の顔つきが、因数分解の“到達点”を教えてくれる。
(1) (2)
別解
別解 — 因数の形を仮定して係数を合わせる(得意な人向けの系統的ルート)。 (2)は「平方の差」を思いつかなくても、答えの形を仮定すれば係数比較で押し切れる。
には奇数次の項がない。だから左右対称な の形になると見当をつける。
展開すると
もとの式と見比べて 、。 だと で整数にならない。 なら 、。
よって 。平方の差を作る本解と同じ答えに、形を仮定するルートから着く。
ポイント
- 複2次式はまず 。分解できれば戻してさらに分解
- の式が分解できないときは、2乗を作って差 にする
- まん中の項を、2乗が作れる値に合わせて調整する
よくある間違い
- (2)を「 にすると割れない」で止め、平方の差を作る工夫に進めずあきらめる。
- 平方の差を作るとき引く量を誤り、 を にした差 を や と取り違える。
- (1)で まで出して満足し、さらに 次式へ分解するのを忘れる。