数学I / 数と式

組み合わせと置き換えで工夫する展開

★★★ 応用展開置き換え

問題

次の式を展開せよ。

(1)

(2)

ヒントを見る

(1)は4つのうち2つずつ組むと『同じかたまり』が両方に出る組がある — それを置き換える。定数項の和を見て相性のいいペアを探そう。(2)は を軸に『和と差の積』が繰り返せる形。

解答・解説

方針

(1)は4つのカッコを、共通のかたまりが出るようにペアで組む。定数の和が同じになる を組むと、どちらも を含む。

(2)は和と差のかけ算 を、くり返し使う。 を『』『』の積とみると、この形が使える。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 つの積は、組む相手しだいで共通のかたまりが生まれる。

だから(1)は、いきなりかけずに定数項を観察する。和がそろうペアを見つけてから組むのが第一歩だ。

(2)は手前の つの因数が、和と差の積の形になっている。順にかたまりを潰していけば、公式が連鎖的に使える。

重要定数の和が同じペアを組むと同じかたまりが出る → それを とおく

(1) 定数の和が同じ()ペアを組む。まず

どちらにも が現れた。 とおくと、和と差のかけ算になる。

(2) 和と差のかけ算を、くり返し使う。まず を、 をひとかたまりとして『』『』の積とみる。

残りの をかける。今度は の和と差のかけ算だ。

最後に展開して

まとめ:『和と差のかけ算の形を見つける』のがどちらのカギ。まん中の項をはさんで対称な形は、この形にできないか疑ってみよう。

発展 — 一歩先へ。 (2)で使った は、整数の性質にも顔を出す。

を入れると、いつも という つの整数の積に分かれる。どちらの因数も より大きいから、 ではけっして素数にならない。

たとえば なら なら 。「和と差のかけ算に化ける式」は、素数か合成数かを見抜く道具にもなる。

(1) (2)

別解

別解 — 根と係数の関係で係数を直接読む(得意な人向けの高い視点)。 (1)は、組み合わせの工夫をしなくても、答えの係数を「根」から一気に出せる。

の値が になるのは のとき。この 数が、 次式の係数をすべて決める。

の係数は の係数は 数の和にマイナスをつけた の係数は つずつの積の和で の係数は つずつの積の和にマイナスをつけた値で、これは 。定数は 数の積

よって 。組み方を探さなくても、根から係数がそのまま読める。本解と同じ答えだ。

ポイント

  • (1)は定数の和が同じペアを組み、共通の を置きかえる
  • (2)は和と差のかけ算 をくり返す
  • のように、対称な形は和と差のかけ算にできる

よくある間違い

  • (1)で組む相手を誤り、 のように和がそろわないペアにして、共通の が現れず行き詰まる。
  • (2)で和と差のかけ算の形に気づかず、 つのかっこを最初から総当たりで展開して項が爆発する。
  • 置きかえた を最後にもとへ戻し忘れ、答えを のまま書いてしまう。