数学I / 集合と命題
5つの整数から3つ選んで和を3の倍数に
問題
どのような5つの整数からも、うまく3つを選べば、その和が3の倍数になるようにできることを示せ。
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和が3の倍数かどうかは、それぞれの数の「3で割った余り」だけで決まる。5つの数の余りの内訳として、どんなパターンがあり得るか — 3種類全部あるときと、そうでないときに分けてみる。
解答・解説
方針
整数を3で割った余り 0, 1, 2 で3つの組に分類する。余りが3種類とも現れるなら1つずつ選べば和の余りは 0+1+2≡0。現れる余りが2種類以下なら、5個を2組に入れるので鳩の巣原理により同じ余りが3個ある組が存在し、その3つの和は余り 3r≡0。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 和が3の倍数かどうかは、各数の3で割った余りだけで決まる。だから5つの数を、余り の3つの部屋に分類して考える。
部屋の使われ方は、大きく2通りしかない。3部屋すべてに数があるか。使われる部屋が2つ以下か。
前者なら、余り の組合せで一撃だ。後者なら、5個を2部屋に入れるのだから、鳩の巣原理で「同じ部屋に3個」が保証される。 でやはり一撃。どちらに転んでも、3の倍数の和が作れる。
① 余りで分類する。 5つの整数を、3で割った余り()によって3組に分ける。和の余りは、各数の余りの和で決まる。
② 3種類の余りがすべて現れる場合。 余り の数を1つずつ選ぶ。和の余りは
和は3の倍数になる。
③ 現れる余りが2種類以下の場合。 5個の数が、高々2つの組に入っている。鳩の巣原理により、どちらかの組に3個以上入っている。その組から3つ選べば、余りはすべて同じ で、和の余りは
やはり3の倍数だ。①②③より、つねに可能である。
まとめ: 「全種類そろう」か「どれかに偏る」か。この二者択一は、どちらに転んでも勝てるようにできている。5という個数は最良で、4つの整数(たとえば )では3つの和を3の倍数にできない。ぎりぎりの線で成り立つ定理だと見えれば完璧だ。
発展 — 一歩先へ。 この事実は一般化できる。「どんな 個の整数からも、 個選んで和を の倍数にできる」(本問は 、)。エルデシュ・ギンツブルグ・ジヴの定理と呼ばれ、 個では反例が作れる。余りで分類する発想は、その入り口に立っている。
証明(3で割った余りで分類: 3種類すべてあれば1つずつ、なければ鳩の巣で同じ余りが3つ)
別解
部屋割りの全パターン表で押す(苦手な人向け)。 「場合分けが本当に全部なのか不安」という人は、部屋割りの内訳を全部書き出してしまえばよい。
5個を3部屋(余り )に入れる内訳は、人数の組だけ見れば次の5通りしかない:
- 型: 同じ部屋に5個。そこから3個選べば ✓
- 型: 4個の部屋から3個 ✓
- 型: 3個の部屋から3個 ✓
- 型: 3個の部屋から3個 ✓
- 型: 3部屋すべてに数がある。1つずつ選んで ✓
どの行でも、「同じ部屋3個」か「3部屋から1個ずつ」のどちらかが必ず取れる。5行の表がそのまま証明になる。
本解の「3種類そろう or 偏る」という二分は、この表を2グループにまとめた言い方だ。表で確かめてから二分の言葉に戻ると、論理の骨組みがはっきり見える。
ポイント
- 余り 0,1,2 の3部屋に分類。
- 3種類あれば 、2種類以下なら鳩の巣で同じ余り3個。
- 4個では反例()があり、5が最良。
よくある間違い
- 数そのものでなく余りで考えてよい理由(和の余りは余りの和で決まる)を書かずに進める。
- 「3種類そろう」と「2種類以下」で場合が尽きる理由(部屋は3つしかない)を言わない。網羅の一言が論証の資格になる。
- 4個でも成り立つと思って一般化する。反例 (どの3つの和も余り1か2)がある。5個が最良。