数学I / 集合と命題
共通部分の要素数の最大・最小(集合と数え上げ)
問題
全体集合 の要素数を 、部分集合 の要素数をそれぞれ とする。共通部分 の要素数のとりうる最大値と最小値を求めよ。
ヒントを見る
より 。等号は 。最小は から、。
解答・解説
方針
は、 が に含まれるとき最大()。 が全体 を超えられないことから最小を求める。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 とおいて、 が満たすべき制約を全部並べる。
上からは「共通部分は小さい方の集合を超えられない」: 。
下からは、和集合の公式 が全体 を超えられないこと: 、つまり 。あとは両端が実際に実現できる配置(図)を示して、最大 ・最小 が確定する。
① 最大。 だから 。等号は (このとき )。 だから は可能。よって最大 。
② 最小。 包除より 。 だから 等号は (全体を覆う)とき。 なので必ず重なりがあり、 は可能。よって最小 。
③ 結論。 最大 、最小 。
まとめ は で最大 、 で最小 。集合(包除)と最大最小の融合。
発展 — 一歩先へ。 一般式は 。下限に がつくのは、合計が全体に収まるとき()は交わりゼロが可能だから。この評価は確率版(、ボンフェローニの不等式)として統計でも働く、実用の不等式だ。
の最大は小さい方の ()。最小は で、 が 全体()のとき最小 。
別解
「どちらでもない人数」で読む(制約の意味が見える)。 とおいて、ベン図の4部屋を で表す:
- のみ: 、 のみ: 、両方: 、どちらでもない:
4部屋とも人数だから 以上。 から 、そして
— 下限 の正体は「どちらでもない人が負の人数になれない」ことだった。 は のみ ()、 は どちらでもない ()で、どちらも実現できる。
不等式を機械的に並べる(本解)のに対し、4部屋の人数に翻訳すると、各不等式が「誰が0人になる配置か」という絵として読める。最大・最小の実現例も、この絵から自動で出てくる。
ポイント
- 、等号は (最大)。
- 、。
- 最大 、最小 。
よくある間違い
- 最大を「 のとき」と取り違える(それは最小の配置。最大は )。
- の制約を忘れ、最小値を と答える。
- 最大・最小の値だけ書いて、実現できる配置(ベン図)の確認を落とす(不等式の端が達成可能かは別の確認)。