数学I / 集合と命題

共通部分の要素数の最大・最小(集合と数え上げ)

実戦編集合と命題集合要素数最大・最小単元横断

問題

全体集合 の要素数を 、部分集合 の要素数をそれぞれ とする。共通部分 の要素数のとりうる最大値と最小値を求めよ。

ヒントを見る

より 。等号は 。最小は から、

解答・解説

方針

は、 に含まれるとき最大()。 が全体 を超えられないことから最小を求める。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 とおいて、 が満たすべき制約を全部並べる

上からは「共通部分は小さい方の集合を超えられない」:

下からは、和集合の公式 全体 を超えられないこと: 、つまり 。あとは両端が実際に実現できる配置(図)を示して、最大 ・最小 が確定する。

定理、および

① 最大。 だから 。等号は (このとき )。 だから は可能。よって最大

ABU(40)ABA∩B
n(A)=30, n(B)=25, n(U)=40。A∩B は B⊂A で最大25、A∪B=U で最小15。

② 最小。 包除より だから 等号は (全体を覆う)とき。 なので必ず重なりがあり、 は可能。よって最小

③ 結論。 最大 、最小

まとめ で最大 で最小 。集合(包除)と最大最小の融合。

発展 — 一歩先へ。 一般式は 。下限に がつくのは、合計が全体に収まるとき()は交わりゼロが可能だから。この評価は確率版(、ボンフェローニの不等式)として統計でも働く、実用の不等式だ。

の最大は小さい方の ()。最小は で、 全体()のとき最小

別解

「どちらでもない人数」で読む(制約の意味が見える)。 とおいて、ベン図の4部屋を で表す:

  • のみ: のみ: 、両方: どちらでもない:

4部屋とも人数だから 以上 から 、そして

— 下限 の正体は「どちらでもない人が負の人数になれない」ことだった。 のみ ()、 は どちらでもない ()で、どちらも実現できる。

不等式を機械的に並べる(本解)のに対し、4部屋の人数に翻訳すると、各不等式が「誰が0人になる配置か」というとして読める。最大・最小の実現例も、この絵から自動で出てくる。

ポイント

  • 、等号は (最大)。
  • 最大 、最小

よくある間違い

  • 最大を「 のとき」と取り違える(それは最小の配置。最大は )。
  • の制約を忘れ、最小値を と答える。
  • 最大・最小の値だけ書いて、実現できる配置(ベン図)の確認を落とす(不等式の端が達成可能かは別の確認)。