数学I / 集合と命題
対偶を利用する証明
問題
は整数とする。命題「 が偶数ならば、 は奇数である」を、対偶を利用して証明せよ。
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対偶『 が偶数 → は奇数』を示す。 を代入して整理し、『整数 』の形になれば奇数と言える。
解答・解説
方針
『 が偶数ならば は奇数』を直接示すのは難しい。対偶を使う。
対偶は『 が偶数ならば は奇数』。 とおいて計算すれば示せる。もとと対偶は真偽一致なので、これでもとの命題も証明できる。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 「 が偶数ならば」という仮定は、そのままでは使いにくい。式の偶奇から を割り出すのは骨が折れる。
対偶を作ると、仮定が「 が偶数」に変わる。これなら と置くだけで計算が走り出す。
「仮定に計算しやすい形が来るように乗り換える」。対偶を選ぶ理由は、いつもこれだ。
対偶を証明する。もとの命題の対偶は
『 が偶数ならば は奇数である』
が偶数なら ( は整数)とおける。代入して整理する。
の形なので、 は奇数。これで対偶が示せた。
よって、もとの命題も真である。(証明終わり)
と分けて の形を作るのがコツ。 なら奇数、 なら偶数、と示す。
発展 — 一歩先へ。 対偶と背理法は、直接示しにくい命題への二大迂回路だ。選ぶ基準はどちらも同じで、「仮定が計算しやすい形になるか」である。
別解の「偶数・奇数の2択を両方調べる」分類は、数学Aの整数の性質で「余りによる分類」として本格化する。 で割った余りの次は、 で割った余りで分類する世界が待っている。
対偶「 が偶数ならば は奇数である」を示す。( は整数)とおくと となり奇数。よって対偶が真であり、もとの命題も真。(証明の詳細は解答参照)
別解
対偶を経由せず、偶奇を直接分析するルートもある。
式を と見る。 と は差が だから、偶奇が必ず一致する。
- が偶数なら、 は偶数 × 偶数で偶数。 を足して奇数。
- が奇数なら、 は奇数 × 奇数で奇数。 を足して偶数。
つまり が偶数になるのは、 が奇数のときだけ。これで命題がそのまま示せた。
2択(偶数か奇数か)を両方調べ尽くす、という力ずくの分類も、れっきとした証明法だ。対偶がピンとこないときの避難路になる。
ポイント
- 直接示しにくい命題は、対偶を証明する
- を代入し、 の形にすれば奇数
- と分けて奇数の形を作る
よくある間違い
- の形にまとめず、奇数であることを言い切れない
- 対偶の作り方を間違える
- 対偶を示したあと、「よってもとの命題も真である」という締めの一文を書き忘れる