数学I / 集合と命題
入れ子の量化命題の否定と真偽
問題
次の命題 について、その否定を述べ、 それぞれの真偽を調べよ。
:すべての実数 に対して、ある実数 が存在して となる。
:ある実数 が存在して、すべての実数 に対して となる。
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「すべて」と「ある」の否定は、 と を入れかえて、最後の等式を否定する。真偽は、具体的に や を つ挙げられるかで判断する。
解答・解説
方針
と を入れかえ、最後の等式を否定するのが否定の作り方。真偽は、 は各 に 、 は を挙げれば真と分かる。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 量化命題()の否定は、「 と を入れ替え、最後の等式を否定する」と機械的に作れる。
の否定は 。 の否定は 。
真偽は具体例で。 は各 に をとれば で真。 は をとれば で真。「 か か」の順序で意味が変わることに注意する。
① の否定と真偽。 は 。否定は 、すなわち「ある実数 が存在して、すべての実数 に対し 」。真偽は が真:どんな に対しても とすれば 。
② の否定と真偽。 は 。否定は 、すなわち「すべての実数 に対して、ある実数 が存在して 」。真偽は が真: とすれば、すべての で が成り立つ。
まとめ:入れ子の量化命題は「否定=すべて/あるを入れかえて中身を否定」。真偽は なら具体例、 なら「どんな…にも成り立つ理由」を述べる。 はともに真だが、その否定は(規則どおり)ともに偽になる。
発展 — 一歩先へ。 と の違いは、数学の厳密さの心臓部。関数の連続と一様連続の違い( の が に依存するか否か)も、まさにこの量化子の順序で決まる。- 論法を学ぶとき、この順序の感覚が効いてくる。
の否定「ある実数 が存在して、すべての実数 に対し 」— は真。 の否定「すべての実数 に対して、ある実数 が存在して 」— は真
別解
別解 — 「順序を入れ替えた命題」と比べて意味を掴む(得意な人向けの視点)。 と は別物。この違いを意識すると真偽が見える。
は「どの にも、それに応じた がある」。 は ごとに選び直してよい()から真。
もし順序を入れ替えた 「ある つの が、すべての で 」なら、 つの で全 をまかなうのは無理だから偽。 が真なのは、 を に依存して選べるおかげ。
は「ある つの が、すべての で 」。 が全 をまかなう()から真。
否定は「 を入れ替え、内側を否定」。 の否定は 、 の否定は 。量化子の順序が意味を決める、という論理の核心が味わえる。
ポイント
- 否定は を入れかえ、最後の等式を否定。
- は 、 は を挙げれば真。
よくある間違い
- 否定で と を入れ替えず、最後の等式だけ否定する。
- と を同じ意味と誤解する(順序で意味が変わる)。
- 真偽の判定で具体例( は 、 は )を挙げず、感覚で決める。