数学I / 集合と命題

入れ子の量化命題の否定と真偽

★★★★ 難関すべて・ある否定真偽

問題

次の命題 について、その否定を述べ、 それぞれの真偽を調べよ。

:すべての実数 に対して、ある実数 が存在して となる。

:ある実数 が存在して、すべての実数 に対して となる。

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「すべて」と「ある」の否定は、 を入れかえて、最後の等式を否定する。真偽は、具体的に つ挙げられるかで判断する。

解答・解説

方針

を入れかえ、最後の等式を否定するのが否定の作り方。真偽は、 は各 を挙げれば真と分かる。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 量化命題()の否定は、「 を入れ替え、最後の等式を否定する」と機械的に作れる。

の否定は の否定は

真偽は具体例で。 は各 をとれば で真。 をとれば で真。「 か」の順序で意味が変わることに注意する。

重要否定の作り方 —「すべての で…」の否定は「ある で…でない」、「ある で…」の否定は「すべての で…でない」( を入れかえ、最後を否定)

の否定と真偽。 。否定は 、すなわち「ある実数 が存在して、すべての実数 に対し 」。真偽は :どんな に対しても とすれば

の否定と真偽。 。否定は 、すなわち「すべての実数 に対して、ある実数 が存在して 」。真偽は : とすれば、すべての が成り立つ。

まとめ:入れ子の量化命題は「否定=すべて/あるを入れかえて中身を否定」。真偽は なら具体例、 なら「どんな…にも成り立つ理由」を述べる。 はともに真だが、その否定は(規則どおり)ともに偽になる。

発展 — 一歩先へ。 の違いは、数学の厳密さの心臓部。関数の連続と一様連続の違い( に依存するか否か)も、まさにこの量化子の順序で決まる。- 論法を学ぶとき、この順序の感覚が効いてくる。

の否定「ある実数 が存在して、すべての実数 に対し 」— は真。 の否定「すべての実数 に対して、ある実数 が存在して 」— は真

別解

別解 — 「順序を入れ替えた命題」と比べて意味を掴む(得意な人向けの視点)。 は別物。この違いを意識すると真偽が見える。

は「どの にも、それに応じた がある」。 ごとに選び直してよい()から真。

もし順序を入れ替えた 「ある つの が、すべての 」なら、 つの で全 をまかなうのは無理だから偽。 が真なのは、 に依存して選べるおかげ。

は「ある つの が、すべての 」。 が全 をまかなう()から真。

否定は「 を入れ替え、内側を否定」。 の否定は の否定は 。量化子の順序が意味を決める、という論理の核心が味わえる。

ポイント

  • 否定は を入れかえ、最後の等式を否定。
  • を挙げれば真。

よくある間違い

  • 否定で を入れ替えず、最後の等式だけ否定する。
  • を同じ意味と誤解する(順序で意味が変わる)。
  • 真偽の判定で具体例()を挙げず、感覚で決める。