数学I / 集合と命題

集合の等式の証明(分配法則)

★★★★ 難関集合証明分配法則

問題

任意の集合 について、次の等式が成り立つことを証明せよ。

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数の計算の分配法則に似た法則が集合にもある。共通の をくくり出すと、 の共通部分が現れる。それは何か。

解答・解説

方針

集合にも分配法則 がある。これを逆向きに使い共通の をくくり出すと が現れる。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 集合の等式は、分配法則を“逆向き”に使って共通因子をくくり出すのが速い。

は「」の形が つ。分配法則 を右から左に使うと、 とまとまる。

(ある要素が に入りかつ入らない、はあり得ない)。よって

公式集合の分配法則 、および

① 分配法則で をくくり出す。 分配法則を右辺から左辺へ( とみて)使うと

② 空集合に気づく。 は「 に属し、かつ に属さない」要素の集合だから、そんな要素はなく

③ 仕上げる。 。よって

(証明終)

まとめ:集合の等式は「数の計算に似た法則(分配・ド・モルガン)+ 」を道具に、式変形で示せる。要素を追って確かめてもよいが、法則を使うほうが 集合以上でも通用する。

発展 — 一歩先へ。 集合の は、論理の と完全に対応する(ブール代数)。 は、論理式 と同じ。集合の等式と論理の恒真式は、同じ代数の つの顔である。

分配法則より 。証明は解答参照

別解

別解 — 要素の所属を 通りで総当たりする(苦手な人にも確実なルート)。 任意の要素 について、 に属するかしないかで 通り。各場合で左辺 が入るかを調べ、右辺 と一致するか確かめる。

  • ( は問わない): かつ (どちらも を含む)→ 左辺に入る。右辺 にも入る。○
  • : (○)だが ( にも にも入らない)→ 左辺に入らない。右辺 にも入らない。○
  • : → 左辺に入らない。右辺にも入らない。○

すべての場合で「左辺に入る 右辺 に入る」。だから 集合は等しい。

分配法則(本解)は鮮やかだが、法則をうろ覚えなら「要素の所属を全パターン調べる」のが確実。集合の等式は、結局「どの要素についても所属が一致する」ことに尽きる。

ポイント

  • 分配法則を逆向きに使い共通の をくくり出す。
  • で仕上げる。

よくある間違い

  • 分配法則 を逆向きに使えず、変形が進まない。
  • (空集合)を (全体)と取り違える。
  • とする(正しくは )。