数学I / 集合と命題
逆・裏・対偶
問題
を実数とする。命題「 ならば 」について、次の問いに答えよ。
(1) この命題の逆・裏・対偶をそれぞれ述べよ。
(2) もとの命題と、(1)で作った逆・裏・対偶の真偽をそれぞれ調べよ。偽の場合は反例を1つ挙げよ。
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逆は『入れかえ』、裏は『両方否定』、対偶は『入れかえて両方否定』— まず機械的に3つ作る。真偽は、もとと対偶が必ず一致・逆と裏も一致する性質を使うと手間が省ける。
解答・解説
方針
もとの命題『 ならば 』から、次の3つを作る。
・逆: と を入れかえた『 ならば 』 ・裏: 両方を否定した『 でない ならば でない』 ・対偶: 入れかえて両方否定『 でない ならば でない』
大事な事実 — もとの命題と対偶は、真偽が必ず一致する。逆と裏も、真偽が一致する。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 もとの命題「 ならば 」から つの兄弟を作る。
- 逆: と を入れかえる「 ならば 」
- 裏: 両方を否定する「 でないならば でない」
- 対偶: 入れかえて両方否定「 でないならば でない」
そして最重要の事実 — もとの命題と対偶は、真偽が必ず一致する。逆と裏も互いに一致する。
だから調べるのは実質 つだけ。この構造を知っていれば、 つの真偽を 回の判定で埋められる。
もとの命題は『 ならば 』。
(1) 3つを作る。
- 逆( を入れかえ):『 ならば 』
- 裏(両方を否定):『 ならば 』
- 対偶(入れかえて両方否定):『 ならば 』
(2) 真偽を調べる。
- もとの命題: なら 。正しいので真。
- 逆: でも とは限らない( でも )。反例 で偽。
- 裏: でも とは限らない( は だが )。反例 で偽。
- 対偶: ならば 。正しいので真。
まとめ:注目してほしいのは、もとの命題(真)と対偶(真)が一致、逆(偽)と裏(偽)が一致していること。『もとと対偶は真偽が同じ、逆と裏も同じ』は必ず成り立つ。だから対偶の真偽を調べれば、もとの命題の真偽もわかる(次の『対偶を利用する証明』につながる)。
発展 — 一歩先へ。 つの命題の真偽は、 組に分かれる — 「もと・対偶」が同じ、「逆・裏」が同じ。今回は前者が真、後者が偽( が共通の反例)。 つを別々に調べる必要はなく、 回の判定で表が埋まる。
「もと ⟺ 対偶」の同値は、次の問題で証明の道具になる。直接証明しにくい命題も、対偶なら証明できる場合がある — 論理的に同じ主張なのだから、証明しやすい方を選んでよい。証明の入り口を選べる自由が、この定理の実用価値である。
(1) 逆:「 ならば 」、裏:「 ならば 」、対偶:「 ならば 」 (2) もとの命題: 真、逆: 偽(反例 )、裏: 偽(反例 )、対偶: 真
別解
「もとと対偶の真偽が一致する」— この不思議な定理を、ベン図で納得しておこう。
の集合を 、 の集合を とする。
もとの命題「」が真 ⟺ ( が の中にすっぽり)
対偶「」が真 ⟺
ベン図を見てほしい。 が の内側にあるなら、外側の世界では逆転して、 の外()は必ず の外()に含まれる — 内側の包含と外側の包含は、 つの絵の つの読み方にすぎない。
同じ絵を見ているのだから、真偽が一致するのは当然だ。
日常語でも確かめられる。「A組の生徒 ⟹ この学校の生徒」と、その対偶「この学校の生徒でない ⟹ A組の生徒でない」— どちらも同じことを言っている。
一方、逆「この学校の生徒 ⟹ A組の生徒」は明らかに別の主張(偽)。もとと逆は無関係、もとと対偶は同じ — この区別が、次の対偶を使った証明の土台になる。
ポイント
- 逆は入れかえ、裏は両方否定、対偶は入れかえて両方否定
- もとの命題と対偶は、真偽が必ず一致する
- 逆と裏も、真偽が一致する
よくある間違い
- 逆・裏・対偶の作り方(どれを入れかえ・否定するか)を混同する
- 『逆が真ならもとも真』と思い込む(逆と裏は別、もととは一致しない)
- の否定を 以外と曖昧に書く(否定は明確に )