数学I / 集合と命題

必要条件・十分条件の判定

★ 基礎必要条件・十分条件

問題

次の空欄に当てはまるものを、下の(ア)〜(エ)から1つずつ選べ。ただし は実数、 は自然数とする。

(1) は、 であるための( )。

(2) は、 であるための( )。

(3) は、 であるための( )。

(4) の倍数であることは、 の倍数であるための( )。

(ア) 必要十分条件である (イ) 必要条件であるが十分条件でない (ウ) 十分条件であるが必要条件でない (エ) 必要条件でも十分条件でもない

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が真 → は十分条件』『 が真 → は必要条件』。両方の矢印を1つずつ真偽判定。(1)は を満たす 以外にもないか、先に調べる。

解答・解説

方針

であるための○○条件』の判定は、 の2つの矢印を、それぞれ真か調べる。

が真 → の『十分条件』 ・ が真 → の『必要条件』 ・両方真 → 必要十分条件

『矢印が出ていく先に十分、入ってくる元に必要』と覚える。両方を1つずつ確かめよう。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 であるための○○条件」の判定は、 本の矢印を別々に調べるだけ。

  • が真 → 十分条件
  • が真 → 必要条件
  • 両方真 → 必要十分条件

覚え方は「矢印が出ていく先に十分、入ってくる元が必要」。両方の矢印を必ず調べる — 片方だけ見て判断するのが最大のミスである。

公式 が真 → の十分条件、 が真 → の必要条件、両方真 → 必要十分条件

が真なら は十分条件、 が真なら は必要条件。両方を調べる。

(1) を解くと

: なら は成り立つ(真)。: でも の場合があるので とは限らない(偽)。よって 十分条件だが必要条件でない→ (ウ)。

(2) かつ のときだけ成り立つ。: でも なら は成り立たない(偽)。: が成り立てば必ず (真)。よって 必要条件だが十分条件でない→ (イ)。

(3) を解くと

つまり は同じこと。両方真なので必要十分条件→ (ア)。

(4) は4の倍数、 は6の倍数。4の倍数でも6の倍数とは限らず(例 )、6の倍数でも4の倍数とは限らない(例 )。どちらの矢印も偽。よって必要条件でも十分条件でもない→ (エ)。

まとめ:『矢印が出ていく()なら十分、入ってくる()なら必要』。2つの矢印を別々に調べるのが確実だ。

発展 — 一歩先へ。 用語の意味を日常語で確かめておこう。「十分」とは「それだけあれば足りる」— でありさえすれば は確実に成り立つ(足りている)。「必要」とは「それがないと成り立たない」— であるためには が絶対に要る(欠かせない)。足りるか / 欠かせないか が用語の由来だ。

必要十分条件(同値)は「言い換えても情報が変わらない」ということ。(3)の は、まったく同じ内容の別の書き方 — 数学の証明では、この同値変形を積み重ねて結論に至る。 の記号を書けるかどうかは、論理の正確さの試金石である。

(1) (ウ) (2) (イ) (3) (ア) (4) (エ)

別解

用語の丸暗記をやめて、集合の大小で判定すると、必要と十分の取り違えが消える。

前問で見たとおり、( は十分条件)は 、つまり が小さい方。だから

が「狭い(きつい)条件」なら十分条件、「広い(ゆるい)条件」なら必要条件

(1)を試そう。: の集合は : を解くと から

の方が狭い は十分条件(だが必要ではない — にいて にいない)。

(2)は逆だ。: の集合(これは が自由なので、 平面では 軸全体)。: のみ(原点)。 の方が狭い が真、つまり 必要条件(原点なら だが、 でも なら は成り立たない)。

「狭い方から広い方へ矢印」「狭い方が十分、広い方が必要」 — 集合の大小だけ見れば、用語に振り回されずに答えが出る。

ポイント

  • 真 → 十分条件、 真 → 必要条件、両方 → 必要十分
  • 2つの矢印を、それぞれ真か調べる
  • 矢印が偽になる反例を1つ見つければ、その向きは成り立たない

よくある間違い

  • 必要と十分を逆にする(『出ていくが十分、入ってくるが必要』)
  • 片方の矢印だけ調べて判断する
  • で割って だけにする( の解を失う)