数学I / 集合と命題
命題の真偽と集合の包含関係
問題
実数 に関する条件 を
とし、 を満たす 全体の集合をそれぞれ とする。
(1) と のどちらが成り立つか。
(2) (1)の包含関係を用いて、命題「」と「」の真偽を答えよ。偽の場合は反例を1つ挙げよ。
ヒントを見る
、 の範囲を数直線に。『』が真かどうかは、 が にすっぽり入るかで決まる。逆向きも同じ要領で、範囲の入り方を見よう。
解答・解説
方針
条件 を満たす数の集合 を考えると、命題『 ならば 』の真偽が、集合の包含()で判断できる。
『 ならば が真』 ⇔ 『 が にすっぽり入る()』。数直線に をかいて、入るかどうかを見る。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 条件を集合に翻訳すると、命題の真偽が図で見える。
: の集合 、: の集合 を数直線に描くと、 は の中にすっぽり収まる。
そして決定的な対応 — 「 が真」⟺「」。
矢印の向きと包含の向きが一致する。 が に入るから は真、逆向きは が からはみ出す()ので偽である。
、 を数直線にかく。
(1) の範囲( から )は、 の範囲( から )の中にすっぽり入っている。だから
(2) 『 ならば 』が真かどうかは、 かどうかで決まる。 なので『』は真。
逆に『』は、 が に入るか()を見る。 のほうが広いので入らない。反例として、 は に入る()が に入らない( でない)。だから『』は偽。
まとめ:『 が真 ⇔ 』— 命題の真偽を、集合の入れ子で判断できるのが、この考えの便利なところだ。
発展 — 一歩先へ。 「 ⟺ 」という対応は、この単元の心臓部だ。命題(論理の話)と集合(図形の話)が、完全に同じ構造をしている — だから論理の問題を、数直線やベン図という絵で解ける。
この対応は、次の必要条件・十分条件の判定でそのまま使う道具になる。 が の十分条件()とは「 が に含まれる」、必要条件()とは「 が に含まれる」— 矢印の向きと包含の向きを一致させて覚えれば、条件の用語で混乱しなくなる。
(1) (2) 「」は真、「」は偽(反例: )
別解
「 なら 」がなぜ成り立つのか — 日常のたとえで腑に落としておこう。
を「 年A組の生徒」、 を「この学校の生徒」とする。A組は学校の一部だから 。
このとき「A組の生徒ならば、この学校の生徒である」は当然成り立つ( が真)。
逆はどうか。「この学校の生徒ならば、A組の生徒である」— B組の生徒が反例で偽。
つまり
小さい集合 大きい集合(条件がきつい 条件がゆるい)は真
大きい 小さい は偽(はみ出す部分が反例)
今回の ()は ()よりきつい条件。きつい条件を満たすなら、ゆるい条件は自動的に満たす — だから が真だ。反例 は「学校の生徒だがA組ではない」B組の生徒にあたる。
「範囲が狭い方から広い方へ矢印が出る」 — この向きの感覚が身につけば、必要・十分の判定(次の問題)で迷わなくなる。
ポイント
- 『 が真』⇔『( が に入る)』
- 数直線に をかいて、入るかどうかを見る
- 反例は『 に入るが に入らない』数(例: )
よくある間違い
- と の向きを取り違える
- 『』と『』を混同する
- 偽のとき反例を挙げない(はみ出す部分から つ選べばよい)