数学I / 集合と命題

ド・モルガンの法則の確認

★ 基礎ド・モルガンの法則補集合

問題

以下の自然数全体の集合を全体集合 とする。 の部分集合を ( の中の偶数全体)、( の中の の倍数全体)とする。

(1) を求めよ。

(2) を求めよ。

(3) (1)と(2)の結果を比べ、そこで確かめられるド・モルガンの法則を等式で書け。

ヒントを見る

は『 に入らない要素』=『どちらにも入らない要素』。 も同じもの — 両方を実際に書き出して、一致するか見比べよう。

解答・解説

方針

ド・モルガンの法則『』を、実際に両辺を計算して確かめる問題。

左辺は『 にも にも入らない』、右辺は『 に入らず、かつ に入らない』。言葉にすると同じことを言っている。両方を計算して、一致することを見る。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 ド・モルガンの法則 を、両辺を実際に計算して確かめる問題だ。

左辺は「 にも にも入らない」もの。右辺は「 に入らず、かつ に入らない」もの。

日本語にすると同じことを言っている — その直感を、要素を書き出して数で確認する。法則を暗記するのではなく、成り立つ理由を目で見るのがこの問題の目的である。

ABU2, 4, 8, 106, 123, 91, 5, 7, 11
色部分が A∪B の補集合 = {1, 5, 7, 11} — ド・モルガンの法則で Ā ∩ B̄ と一致

は1〜12、 は偶数 は3の倍数

(1) まず (どちらか一方でも)を求める。

その補集合(以外)は

(2) 今度は を別々に出す。

その共通部分(両方に入る)は

(3) (1)と(2)を比べると、どちらも 。つまり

まとめ:が確かに成り立つ。これがド・モルガンの法則だ。『どちらにも入らない = 一方にも入らず、もう一方にも入らない』と、言葉でも納得できる。

発展 — 一歩先へ。 この問題の (偶数)と ( の倍数)で — 「 でも でも割れない数」だ。 以下ならこれらは(1 を除いて)素数になる。「ふるいにかけて残った数」という発想は、素数を探すエラトステネスのふるい(数A)そのもの。集合の演算が、数論の道具として働いている。

ド・モルガンの法則は、命題の否定(「かつ」の否定は「または」)、条件の否定、そしてコンピュータの論理回路(NAND / NOR)まで、まったく同じ形で現れる。否定は をひっくり返す — 論理の世界の基本法則である。

(1) (2) (3) 両者は一致し、 が確かめられる

別解

この法則、日常の言葉に翻訳すると、当たり前すぎて笑ってしまう。

を「コーヒーが好きな人」、 を「紅茶が好きな人」としよう。

これはどんな人か — コーヒーも好きじゃないし、紅茶も好きじゃない人だ。それがまさに ( でなくかつ でない)。

「または」を否定すると「かつ」になる — これがド・モルガンの本体だ。

もう つの法則も同じ調子で読める。

これは「コーヒーが嫌いまたは紅茶が嫌い」— どちらか一方でも嫌いなら「両方好き」ではない。 ✓。

記号を暗記すると を取り違えるが、言葉に直せば間違えようがない。「否定すると、かつ ↔ または が入れ替わる」— この 行が、集合でも命題でも(次の単元でも)ずっと効く。

ポイント

  • ド・モルガン:
  • 『どちらにも入らない = Aに入らず、かつBに入らない』
  • 両辺を計算して一致することで確かめられる

よくある間違い

  • と取り違える(∩と∪が入れかわる)
  • 補集合を出すとき、全体 の範囲を忘れる
  • を作るとき、重なる要素()を書き落とす