数学I / 集合と命題

「すべて」の命題の真偽と否定

★★★ 応用否定全称と存在命題の真偽

問題

を実数の定数とし、命題

を考える。

(1) 命題 が真となる の値の範囲を求めよ。

(2) 命題 の否定 を述べよ。また、 が真となる の値の範囲を求めよ。

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は直線。区間 全体で正であるには、いちばん低くなる端だけ調べれば十分 — 両端 がともに正、を条件に。(2)は『すべて』の否定=『ある』。

解答・解説

方針

は1次関数(直線)なので、区間の端 で正なら、間もずっと正になる。

だから が真 ⇔ かつ 。(2)の否定は『すべて』→『ある』、 で作る。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 のすべての で成り立つ」を、 つずつ調べて確かめるのは無理だ。無限個あるからだ。

そこで 次式、つまりグラフが直線であることに注目する。直線が区間の両端で正なら、間もすべて正になる。

すると無限個の条件が、端 での条件に圧縮される。この圧縮が発想の核だ。

xyOf(0) = 1f(2) = 2a+12
1次関数は区間の両端で正なら全体で正(図は a < 0 の例)

は1次関数(直線)。直線が区間 でずっと正になるのは、両端で正のとき。

(1)

それぞれ計算する。

はいつも正なので、条件は だけ。よって

(2) の否定は、『すべて』→『ある』、 で作る。

が真なのは、 が偽のとき。 が真は だったので、 が真はその反対で

まとめ:『直線は端で正なら間も正』を使うと、すべての の条件が端の2点だけの条件になる。 の否定は『すべて→ある、』で作る。

発展 — 一歩先へ。 が真になる 、否定 が真になる 。この つはちょうど実数全体を重なりなく つに分ける(互いに補集合)。

面白いのは境界 の行き先だ。このとき となり、 を満たさない。だから 側に属する。

もとの条件が (等号なし)だから、境界は を含む に落ちる。 の範囲が開いた不等式 に、 が閉じた になる、その境目の扱いがきれいに対応している。

(1) (2) :「 を満たすある実数 について 」、範囲は

別解

別解 — について解いて、いちばん厳しい を探す(得意な人向けの視点)。 ごとに の条件に読みかえ、すべての で成り立つよう重ねる。

のときは で、 によらず成り立つ。ここは自由だ。

のときは 、両辺を正の で割って 。これがすべての で必要だから、 が最も大きくなる を押さえればよい。

が大きいほど大きく、 では で最大の 。よって条件は にまとまる。

直線の両端を調べる本解に対し、こちらは を分離し「いちばん厳しい ()」に条件を集約する。定数を分離して最悪の点を押さえるこの見方は、幅広い「すべての で成り立つ」問題に効く。本解と同じ を得る。

ポイント

  • 1次関数(直線)は、区間の両端で正なら間もずっと正
  • が真 ⇔ かつ
  • の否定は『すべて→ある、』。真になる範囲は の反対

よくある間違い

  • 端の 点だけでよいことに気づかず、区間内のすべての を代入しようとして行き詰まる。
  • を作るとき「すべて ある」の入れかえや、不等号 の一方を忘れる。
  • 境界 が真の範囲に含めてしまう( でない)。