数学I / 集合と命題
十分条件・必要条件となる定数の範囲
問題
を正の定数とし、実数 に関する2つの条件
を考える。
(1) が であるための十分条件となる の値の範囲を求めよ。
(2) が であるための必要条件となる の値の範囲を求めよ。
ヒントを見る
、 を区間にして数直線に。(1)十分条件 → 、(2)必要条件 → 。 を動かして、区間の端がどこまで来れば包含が成り立つかを読む。
解答・解説
方針
条件を範囲に直す。 は 、。 を満たす集合を 、 を とする。
『 が の十分条件』⇔『』、『 が の必要条件』⇔『』。数直線で端を比べる。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 の表す範囲は、中心 の対称な区間だ。 が大きくなるほど左右に伸びる。
十分条件は「 が に収まる」、必要条件は「 が に収まる」。どちらがどちらに入るのかを取り違えやすい。
そこで先に か かの矢印を書き、それを包含に直してから端の不等式に落とす。この順番を守れば向きを間違えない。
条件を範囲に直す。
(1)
『 が の十分条件』は『 が真』、つまり 。( から )が ( から )に入るには、 の左端が 以上、右端が4以下。
左から 、右から 。 もあわせて、きつい方の をとり
(2)
『 が の必要条件』は『 が真』、つまり 。( から )が ( から )に入るには、 のほうが広く、 の左端が 以下、右端が4以上。
左から 、右から 。両方を満たすには
まとめ:『十分 → ( が小さい)』『必要 → ( が大きい)』。包含の向きを間違えないのがカギだ。
発展 — 一歩先へ。 十分条件の範囲 と必要条件の範囲 は、重なっていない。
間の では、 は をはみ出し()、しかも の左端 を覆えない()。だから は の必要条件でも十分条件でもない。
では必要十分()になる はあるか。 は中心 の対称区間、 は中心 。中心がずれているので、幅をどう選んでも一致しない。 と が同値になる は存在しないのだ。 がずれた条件のとき、必要の境目と十分の境目が別の場所に来ることが見てとれる。
(1) (2)
別解
別解 — 中心 から見た「左右の届き」で比べる(得意な人向けの視点)。 は中心 から左右に同じ だけ伸びる。 を、同じ中心 から測り直す。
の左端 は から左へ 、右端 は から右へ 。つまり は中心 から見て「左に 、右に 」届いている(左右で非対称)。
(1) 十分条件 は、 が の内側に収まること。 の左右の伸び が、 の届き(左 ・右 )を超えなければよい。 かつ 、きつい方をとって 。
(2) 必要条件 は、 が を覆うこと。 の伸び が、 の届きを両側とも上回ればよい。 かつ 。両方を満たすには厳しい方の 。
端点そのものを比べる本解に対し、こちらは「中心 からの左右の届き」に注目する。 が中心 に対して非対称(左 ・右 )であることが、十分では右 が、必要では左 が効く理由をはっきりさせる。本解と同じ 、 を得る。
ポイント
- は
- 十分 → 、必要 →
- 数直線で端を比べ、きつい方の条件をとる
よくある間違い
- 十分条件と必要条件で、包含の向き( か か)を取り違える。
- という前提を忘れ、(1)の答えを とだけ書いて負の まで含めてしまう。
- (1)で と の一方だけを使い、ゆるい を答えにしてしまう。