数学I / 集合と命題

十分条件・必要条件となる定数の範囲

★★★ 応用必要条件・十分条件集合と定数

問題

を正の定数とし、実数 に関する2つの条件

を考える。

(1) であるための十分条件となる の値の範囲を求めよ。

(2) であるための必要条件となる の値の範囲を求めよ。

ヒントを見る

を区間にして数直線に。(1)十分条件 → 、(2)必要条件 → を動かして、区間の端がどこまで来れば包含が成り立つかを読む。

解答・解説

方針

条件を範囲に直す。 を満たす集合を とする。

の十分条件』⇔『』、『 の必要条件』⇔『』。数直線で端を比べる。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 の表す範囲は、中心 の対称な区間だ。 が大きくなるほど左右に伸びる。

十分条件は「 に収まる」、必要条件は「 に収まる」。どちらがどちらに入るのかを取り違えやすい。

そこで先に かの矢印を書き、それを包含に直してから端の不等式に落とす。この順番を守れば向きを間違えない。

条件を範囲に直す。

(1)

x-12−k22+k4QP
(1) p ⇒ q(十分条件)⇔ P = [2−k, 2+k] が Q = [−1, 4] の内側

の十分条件』は『 が真』、つまり ( から )が ( から )に入るには、 の左端が 以上、右端が4以下。

左から 、右から もあわせて、きつい方の をとり

(2)

x2−k-142+kPQ
(2) q ⇒ p(必要条件)⇔ P が Q を覆う

の必要条件』は『 が真』、つまり ( から )が ( から )に入るには、 のほうが広く、 の左端が 以下、右端が4以上。

左から 、右から 。両方を満たすには

まとめ:『十分 → ( が小さい)』『必要 → ( が大きい)』。包含の向きを間違えないのがカギだ。

発展 — 一歩先へ。 十分条件の範囲 と必要条件の範囲 は、重なっていない。

間の では、 をはみ出し()、しかも の左端 を覆えない()。だから の必要条件でも十分条件でもない。

では必要十分()になる はあるか。 は中心 の対称区間、 は中心 。中心がずれているので、幅をどう選んでも一致しない。 が同値になる は存在しないのだ。 がずれた条件のとき、必要の境目と十分の境目が別の場所に来ることが見てとれる。

(1) (2)

別解

別解 — 中心 から見た「左右の届き」で比べる(得意な人向けの視点)。 は中心 から左右に同じ だけ伸びる。 を、同じ中心 から測り直す。

の左端 から左へ 、右端 から右へ 。つまり は中心 から見て「左に 、右に 」届いている(左右で非対称)。

(1) 十分条件 は、 の内側に収まること。 の左右の伸び が、 の届き(左 ・右 )を超えなければよい。 かつ 、きつい方をとって

(2) 必要条件 は、 を覆うこと。 の伸び が、 の届きを両側とも上回ればよい。 かつ 。両方を満たすには厳しい方の

端点そのものを比べる本解に対し、こちらは「中心 からの左右の届き」に注目する。 が中心 に対して非対称(左 ・右 )であることが、十分では右 が、必要では左 が効く理由をはっきりさせる。本解と同じ を得る。

ポイント

  • 十分 → 、必要 →
  • 数直線で端を比べ、きつい方の条件をとる

よくある間違い

  • 十分条件と必要条件で、包含の向き( か)を取り違える。
  • という前提を忘れ、(1)の答えを とだけ書いて負の まで含めてしまう。
  • (1)で の一方だけを使い、ゆるい を答えにしてしまう。