数学I / 集合と命題
絶対値で定められた集合の包含関係
問題
を実数の定数とし、2つの集合を
と定める。
(1) となる の値の範囲を求めよ。
(2) となる の値の範囲を求めよ。
ヒントを見る
絶対値の集合を範囲(区間)に直す — 、 は を含む区間。(1) は が に収まる条件、(2)は と が重ならない(離れる)条件。端の位置関係を不等式に。
解答・解説
方針
絶対値の集合を、範囲に直す。 は 、 は 。 は中心 、幅6の範囲だ。
(1) は が に入る条件。(2) は2つが重ならない条件。どちらも数直線で、端の位置を比べる。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 絶対値で書かれた集合は、まず区間に翻訳して「中心と幅」で捉える。
は中心 、幅 の窓だ。 が動くと、この窓が数直線上を左右にずれる。
包含 は「窓が相手をすっぽり覆う」条件、交わりなし は「窓が相手に届かない」条件。どちらも端の位置をくらべる不等式に言いかえられる。
絶対値を範囲に直す。
(1)
( が にすっぽり入る)条件を考える。 の左端 が の左端 以下(= が より左まである)、 の右端3が の右端 以下、であればよい。
左から 、右から 。合わせて
(2)
(重ならない)条件。 が より完全に左にある( の右端 が の左端 以下)か、 が完全に右にある( の左端 が の右端3以上)。
絶対値の集合は範囲に直し、数直線で端の位置を比べるのが基本だ。
発展 — 一歩先へ。 この問題は と 、つまり両極端の位置だけを聞いている。
を横軸にとって全体を見わたすと、 の直線自体が切り分けられる。 で離れ、 で一部だけ交わり、 で覆い、 でまた一部だけ交わり、 で再び離れる。答えの範囲もそれぞれ区間になる。
境界の は、 の端が の端とちょうど重なる「接する」瞬間だ。区間どうしの位置関係が、 が動くにつれて連続的に移り変わる様子が見えてくる。
(1) (2) または
別解
別解 — 三角不等式で端点を比べずに出す(得意な人向けの別技法)。 どんな実数でも (三角不等式)が成り立つ。これを使うと端の比較を経ずに条件が出る。
(1) なら 。ここで
右辺が 以下なら、この は必ず 、すなわち に入る。よって 、つまり なら 。これは にあたる。
(2) もし と に共通の があれば、その について
だから なら共通の は存在しえない。これは または にあたる。
三角不等式が与えるのは十分性だが、 が境目を超えると窓がはみ出す/届いてしまうので、条件はちょうど 、。中心 と の隔たり を の幅に結びつけるこの見方で、本解の 、 または と一致する。
ポイント
- は (中心 、幅 )
- は端の位置を比べる(A が B に入る)
- は2つが離れる条件(左に離れる or 右に離れる)
よくある間違い
- を区間 に直さないまま考え、手がかりをつかめない。
- (2)で「左に離れる()」と「右に離れる()」の一方だけ答える。
- (1)の端点条件で不等号の向きを取り違え、 を としてしまう。