数学I / 集合と命題

絶対値で定められた集合の包含関係

★★★ 応用集合の演算数直線集合と定数

問題

を実数の定数とし、2つの集合を

と定める。

(1) となる の値の範囲を求めよ。

(2) となる の値の範囲を求めよ。

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絶対値の集合を範囲(区間)に直す — を含む区間。(1) に収まる条件、(2)は が重ならない(離れる)条件。端の位置関係を不等式に。

解答・解説

方針

絶対値の集合を、範囲に直す。 は中心 、幅6の範囲だ。

(1) に入る条件。(2) は2つが重ならない条件。どちらも数直線で、端の位置を比べる。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 絶対値で書かれた集合は、まず区間に翻訳して「中心と幅」で捉える。

は中心 、幅 の窓だ。 が動くと、この窓が数直線上を左右にずれる。

包含 は「窓が相手をすっぽり覆う」条件、交わりなし は「窓が相手に届かない」条件。どちらも端の位置をくらべる不等式に言いかえられる。

絶対値を範囲に直す。

(1)

xa−3-13a+3BA
(1) A ⊂ B: B = (a−3, a+3) が A = (−1, 3) を覆う(図は a = 1 の例)

( にすっぽり入る)条件を考える。 の左端 の左端 以下(= より左まである)、 の右端3が の右端 以下、であればよい。

左から 、右から 。合わせて

(2)

x-13a−3a+3AB
(2) A ∩ B = ∅: B が A の右外に外れる場合(図は a = 7 の例)

(重ならない)条件。 より完全に左にある( の右端 の左端 以下)か、 が完全に右にある( の左端 の右端3以上)。

絶対値の集合は範囲に直し、数直線で端の位置を比べるのが基本だ。

発展 — 一歩先へ。 この問題は 、つまり両極端の位置だけを聞いている。

を横軸にとって全体を見わたすと、 の直線自体が切り分けられる。 で離れ、 で一部だけ交わり、 で覆い、 でまた一部だけ交わり、 で再び離れる。答えの範囲もそれぞれ区間になる。

境界の は、 の端が の端とちょうど重なる「接する」瞬間だ。区間どうしの位置関係が、 が動くにつれて連続的に移り変わる様子が見えてくる。

(1) (2) または

別解

別解 — 三角不等式で端点を比べずに出す(得意な人向けの別技法)。 どんな実数でも (三角不等式)が成り立つ。これを使うと端の比較を経ずに条件が出る。

(1) なら 。ここで

右辺が 以下なら、この は必ず 、すなわち に入る。よって 、つまり なら 。これは にあたる。

(2) もし に共通の があれば、その について

だから なら共通の は存在しえない。これは または にあたる。

三角不等式が与えるのは十分性だが、 が境目を超えると窓がはみ出す/届いてしまうので、条件はちょうど 。中心 の隔たり の幅に結びつけるこの見方で、本解の または と一致する。

ポイント

  • (中心 、幅 )
  • は端の位置を比べる(A が B に入る)
  • は2つが離れる条件(左に離れる or 右に離れる)

よくある間違い

  • を区間 に直さないまま考え、手がかりをつかめない。
  • (2)で「左に離れる()」と「右に離れる()」の一方だけ答える。
  • (1)の端点条件で不等号の向きを取り違え、 としてしまう。