数学I / 2次関数のグラフと最大・最小
動く区間での最大値と最小値の差
問題
実数 に対し、区間 における の最大値から最小値を引いた値を とする。 の最小値を求めよ。
ヒントを見る
幅 の区間を動かす。区間が頂点 を含むかどうかで最小値の位置が変わる。含むとき、両端が頂点から等距離になる位置を疑え。
解答・解説
方針
幅 の区間を動かす。区間が頂点 を含むか否かで場合分け。含むとき最小は頂点、最大は遠い端。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 幅1の区間を数直線の上で滑らせながら、放物線 の「区間内での山と谷の差」を測る問題だ。
放物線は で最小。だから、区間が原点をまたぐかどうかで、最小値の場所(端か、頂点か)が変わる。 で場合分けする。
① 場合分け。
- : 区間は で増加。最大 、最小 。
- (すなわち ): 区間は で減少。最大 、最小 。
- : 区間は頂点 を含む。最小は 、最大は両端のうち遠いほう 。
② 頂点を含む場合の最小化。 。このとき両端は頂点から等距離で、。 が から離れると、遠い側の端が高くなって は増える。
③ 全体。 各場合の最小は、 で 、 で 、 で 。よって の最小値は 。
まとめ: 動く区間の最大最小は「区間が頂点を含むか」で場合分けする。含むとき最小は頂点、最大は遠い側の端だ。両端が頂点から等距離になる で、差がいちばん縮む。図で区間を滑らせると、その瞬間が見える。
発展 — 一歩先へ。 区間の幅を に変えると、同じ議論で最小値は になる(本問は )。さらに、下に凸ならどんな関数でも「両端の高さが等しい位置」が差を最小にする。放物線に限らない、凸さだけから出る原理だ。
()
別解
鏡映しの対称性で当たりを付ける(得意な人向け)。 は偶関数だ。区間 を原点で折り返すと、区間 に移る。折り返しても の値の集まりは変わらない。だから
つまり関数 は、 を中心に左右対称だ。
対称な関数の最小は、対称の中心で起こると当たりを付けたくなる。実際、 の側で が増える一方であることを(場合分けで)確かめれば、正当化できる。中心 での値は、区間 で最大 ・最小 、差は 。
場合分けの計算(本解)と同じ答えに、対称性という一段高い視点から降りてくるルートだ。「問題の対称性は、答えの場所を教える」。この感覚は最適化のあちこちで効く。
ポイント
- 区間が頂点を含むかで場合分け。
- 両端が等距離の で 。
よくある間違い
- 「区間の中央が頂点に来るとき最小」と結論だけ書き、根拠(両端が等距離 ⟺ 両端の高さが等しい)を言わない。
- 頂点を含む場合だけ調べて、含まない場合()との比較を省く。最小値は全場合の比較で決まる。
- 最大値をつねに右端 と思い込む。 では左端 の方が頂点から遠くて高い。 の切り替わりが 。