数学I / 2次関数のグラフと最大・最小

2次関数の合成と方程式の実数解

最難関編合成関数方程式の実数解

問題

を実数とし、 とする。方程式 が相異なる 個の実数解をもつような の値の範囲を求めよ。

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次方程式をまともに解かない。「 を満たす も満たす」に気づくと、 が因数分解できる。

解答・解説

方針

の解は も満たすので、 で割り切れる。 つの 次式に分け、判別式と共通解で条件を出す。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 は4次方程式。正面から解くのは重い。

ここで構造に気づきたい。 を満たす (不動点)は、2回写しても動かない。つまり自動的に を満たす。すると を因数にもち、2つの2次式の積に分かれる。

あとは、それぞれの判別式と、共通解の排除で条件を出すだけだ。

重要 を因数にもつ(不動点は周期2点でもある)

① 因数分解する。 。実際に割ると(または展開して確かめると)

② 2つの2次式が実数解をもつ条件。 相異なる4実数解 ⟺ 各2次式が相異なる実数解をもち、かつ共通解をもたない。

  • : 判別式
  • : 判別式

③ 共通解を排除する。 2式を引くと 。共通解の候補は だけだ。 に代入すると 。つまり のときだけ共通解をもつ。 なら共通解はない。

以上より、求める範囲は

xyOy=x
c=−1 のとき y=f(f(x))=x⁴−2x² と y=x は相異なる4点で交わる(f(f(x))=x の4実解)

まとめ: 「不動点は周期2の点でもある」から が因数に出る。ここが急所だ。4次を2つの2次に割れば、判別式2本と共通解の排除で条件が決まる。厳しいほうの が答えを支配する。

発展 — 一歩先へ。 3回写して戻る点()は8次方程式の世界になる。そこから先は「周期点がどう増えていくか」という力学系の問いだ。 という単純な式が、 しだいで極めて複雑な軌道(カオス)を生むことが知られている。本問はその入り口の、いちばん静かな部分である。

別解

縦の放物線と横の放物線で見る(図形ルート)。 のグラフと、それを直線 で折り返した曲線 (横向きの放物線)を重ねてみる。

実は、 の実数解は、この2曲線の交点の 座標と一致する。 かつ なら となるからだ(逆に なら、 とおけば2式が立つ)。

xyO(0, −1)(−1, 0)
c=−1: 縦の放物線 y=x²−1(青)と横の放物線 x=y²−1(赤)。交点4個のうち2個は対角線 y=x 上(不動点)、残り2個は直線 x+y=−1 上で対になる

交点を計算しよう。2式 を引き算すると

整理して 。つまり交点は、対角線 上(不動点、)にあるか、直線 上(2回で入れ替わるペア、代入して )にある。

本解の2つの2次式が、「対角線上の交点」と「対角線をはさんで対になる交点」という図形の言葉に翻訳された。相異なる4解の条件は、2つの放物線が4回交わる条件そのものだ。

ポイント

  • で割れる。
  • 判別式2本+共通解の排除で

よくある間違い

  • 4次式を展開して、因数定理などで正面から割ろうとする。 から直接因数を見つけるのは難しい。「不動点の因数を先取り」が設計。
  • 共通解の排除を忘れて と閉じる。 では2式が を共有し、解は3個に減る。
  • 2つの判別式条件 を「または」でつなぐ。4解には両方必要で、共通部分(厳しい方)だけが残る。