数学I / 2次関数のグラフと最大・最小
ミニマックス(区間での最大値の最小化)
問題
実数 に対し、区間 における の最大値を とする。 の最小値を求めよ。
ヒントを見る
「最大値の最小」は下からと上からで挟む。まず の 値から 乗の項だけが残る組合せを作ると、 が消えて下限が見える。
解答・解説
方針
「最大値を最小にする」ミニマックス。(下からの評価)と、等号を与える の存在(上からの評価)で挟む。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 「最大値を最小にする」。ミニマックスの問題だ。 の山を、直線の項 でどれだけ打ち消せるかが問われている。
この型の最適化は、両側から挟むのが定石だ。下からは「どんな でも 」という不等式。上からは「 になる実例」。両方そろって初めて、最小値が確定する。
下からの評価には、区間の端と中央の値から「2次の係数だけを取り出す」組合せを使う。
① 下からの評価。 とし、 での値を見る。、、 だから
が消えて になった。三角不等式で
もし3つの値がすべて絶対値 なら、左辺 となって矛盾する。よってどれかは 以上。すなわち だ。
② 上からの評価(等号の実現)。 をとると 。 で だから 。すなわち だ。しかも で 、 で に達する。よって 。
①②より最小値は 。
まとめ: ミニマックスは「下から(不等式)」と「上から(実例)」で挟む。急所は という、2次の係数だけを残す組合せだ。等号を与える は、両端と中央で符号を変えながら等しい大きさ に達する(チェビシェフ多項式 )。
発展 — 一歩先へ。 区間全体でなく、3点 だけで最大を測っても答えは同じ になる(①はその3点しか使っていない)。さらに一般に、 次の係数1の多項式が区間 で達しうる最大絶対値の最小は で、実現するのがチェビシェフ多項式だ。本問はその の姿である。
別解
対称性で当たりを付ける(直感ルート)。 区間 も も、 軸に関して左右対称だ。なら、最適な直線も左右対称のはず。傾きは と当たりを付けてよい。
残るは だけ。 を考える。 は区間上で から まで動くから、 の値は から までの帯になる。帯の中の絶対値の最大は
2つの値は のとき等しくなり、そのとき最大は 。帯 を上下対称の に置いた瞬間が、いちばん「薄く」見える瞬間だ。
これで候補 ()が立つ。「これより小さくできない」ことは、本解①の不等式が保証してくれる。対称性で候補を絞り、不等式で締める。分業させると、それぞれの仕事が軽くなる。
ポイント
- ミニマックスは下からと上からで挟む。
- で を消す。
よくある間違い
- 下界の評価で の係数2を落とし、 から とする。等号例の と食い違ったら、係数を疑う。
- 実例()を出さずに「最小値 」と断言する。下界と達成例の両方がそろって初めて最小値になる。
- を の式で書き切ろうとして、場合分けの海に沈む。最大値の場所は とともに動く。「評価で挟む」への切り替えが本問の入り口。