数学I / 2次関数のグラフと最大・最小
定義域が動く場合の最小値
問題
を定数とする。2次関数 ()の最小値を、 の値で場合分けして求めよ。
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今度は頂点が固定で、定義域という『窓』が とともに動く。窓が頂点より左・頂点を含む・頂点より右、の3つで最小をとる場所が変わる。図で窓を左右にスライドさせて考えよう。
解答・解説
方針
今度は逆。放物線 (頂点 固定)はそのままで、定義域 のほう( で決まる幅2の窓)が左右に動く。
最小値は『頂点 が、動く窓のどこにあるか』で変わる。窓が頂点より左にある・頂点を含む・頂点より右にある、の3つに場合分けする。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 今度は逆 — 軸が固定、定義域が動く。
の軸は (固定)。定義域は という幅 の窓が とともに左右にスライドする。
考え方は前問と同じ。「軸 が、動く窓のどこにいるか」で場合分けだ。
- 窓が軸より左(、つまり )→ 最小は窓の右端
- 軸が窓の中(、つまり )→ 最小は頂点
- 窓が軸より右()→ 最小は窓の左端
「動くのは軸か窓か」を最初に見極めるのが、この 題の分かれ目である。
平方完成する。
頂点 、下に凸で固定。定義域 (幅2の窓)が によって左右に動く。頂点 が窓のどこにあるかで場合分けする。
① 窓が頂点より左(、つまり )
窓全体が頂点の左にあると、範囲内でグラフは右下がり。最小は右端 。
② 窓が頂点を含む()
頂点 が窓の中()にあるので、頂点で最小。
③ 窓が頂点より右()
窓全体が頂点の右にあると、範囲内でグラフは右上がり。最小は左端 。
まとめると、 で最小値 、 で最小値1、 で最小値 。
まとめ:前問は『軸が動く』型、こちらは『定義域が動く』。どちらも『頂点(軸)と定義域の位置関係』の3場合分けで、グラフをかいて考えるのは同じだ。
発展 — 一歩先へ。 場合分けの境目 と が意味するのは「軸 が、窓の端にちょうど重なる瞬間」だ。 なら窓は で軸が右端に、 なら窓は で軸が左端に一致する。境目 = 軸が端に触れる — この見方で境目を求めれば、条件式( など)を立てる前に答えが分かる。
最小値を の関数として見ると、()・()・()— 放物線・水平・放物線という「谷を平らにならした」形になる。動く窓が谷を「すくえる」区間だけ、最小値が一定の になる — 図にすると美しい構造が見える。
のとき最小値 ()、 のとき最小値 ()、 のとき最小値 ()
別解
前問と今回は、見た目は違うがまったく同じ構図だ — そのことに気づくと、場合分けの型は つ覚えれば足りる。
どちらも問うているのは
「軸(谷底)は、定義域の窓の中にいるか、左にいるか、右にいるか」
だけ。動くのが軸でも窓でも、相対的な位置関係しか結果に影響しない。
| 軸が窓の左 | 軸が窓の中 | 軸が窓の右 | |
|---|---|---|---|
| 最小の場所 | 窓の左端 | 頂点 | 窓の右端 |
| 前問(=軸) | → | → | → |
| 今回(=窓) | → | → | → |
軸が窓の左にあれば、窓の中は右上がり(単調増加) — だから窓の左端が最小。軸が右なら逆。軸が中にあれば頂点が最小。
行目と 行目で の条件が入れ替わって見えるのは、「 が何を表すか」が違うだけ — 図で見れば同じ 型だ。
境目の検算も忘れずに。 で: 窓の右端の式 、頂点の式 — 一致 ✓。 で: 頂点の 、左端の式 — 一致 ✓。
「動くのは何か」ではなく「軸と窓の相対位置」で考える — この抽象化が、場合分けを つの型に統一する。
ポイント
- 定義域が動く最小値も、頂点と窓の位置関係で3場合分け
- 窓が頂点の左 → 右端、頂点を含む → 頂点、右 → 左端 で最小
- 頂点は固定、動くのは定義域の窓
よくある間違い
- 窓の左端・右端どちらで最小になるかを取り違える
- 場合分けの境目の の値を間違える
- 窓が軸より左のとき「左端が最小」としてしまう(左にあるなら右端が軸に近く、そこが最小)