数学I / 2次関数のグラフと最大・最小
定義域があるときの最大・最小
問題
2次関数 ()の最大値と最小値を求めよ。
ヒントを見る
まず平方完成して頂点(グラフの底)の位置を出す。次に定義域を数直線で見て、頂点が範囲に入っているか確認。下に凸なら底で最小、両端のうち軸から遠いほうで最大。
解答・解説
方針
定義域( の動く範囲)がある2次関数の最大・最小は、グラフをかいて考えるのがいちばん。
まず平方完成して頂点を求め、放物線をかく。次に定義域の範囲だけ見て、その中でグラフのいちばん高い点(最大)といちばん低い点(最小)を読む。頂点が定義域に入るか、端の値はいくつか、を確認する。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 定義域がある最大最小は、候補を全部並べて比べるのが基本。候補は 種類しかない。
頂点(定義域の中にあれば)と、定義域の両端。
の頂点は — の中にある。端は で 、 で 。
下に凸だから頂点が最小、最大は端のどちらか — 値を比べて の が最大だ。「グラフを描いて候補を拾う」が鉄則である。
まず平方完成する。
頂点 、下に凸の放物線。定義域 の範囲でグラフを見る。
最小: 頂点 は定義域 の中にある。下に凸なので、頂点で最小。 のとき最小値 。
最大: 下に凸のグラフは、定義域の両端のどちらかで最大になる。端の値を計算すると、 で 、 で 。大きいのは の 。だから のとき最大値 。
まとめ:定義域つきの最大・最小は、グラフをかいて『頂点が範囲に入るか』『端の値はいくつか』を見るのが確実。頂点だけ見て端を忘れると、最大を取り逃す。
発展 — 一歩先へ。 「定義域がなければどうなるか」を考えると、定義域のありがたみが分かる。 がなければ、この関数は をどこまでも大きくすれば もいくらでも大きくなる — 最大値は存在しない(最小値 だけが存在する)。定義域を切ることで、初めて最大値が生まれた。
「区間の端と内部の候補を比べる」という手法は、 次関数(数II)でも、微分を使う最大最小(数III)でも、まったく同じ形で使われる。関数の形が複雑になっても、候補を漏れなく拾って比べるという骨格は変わらない — その最初の型がこの問題である。
のとき最大値 、 のとき最小値
別解
端のどちらが大きいかは、値を計算しなくても軸からの距離で分かる。
下に凸の放物線は、軸から遠いほど値が大きい(谷底から離れるほど高く登る)。
軸は 。定義域の端との距離を測ると
- 左端 : 軸から
- 右端 : 軸から
左端の方が遠い → 左端の方が値が大きい → 最大は 。
実際に計算しても ✓ — 距離の判定と一致する。
この見方の利点は、計算前に答えの見当がつくこと。定義域が のように広ければ、(軸から )が圧倒的に遠いので、計算するまでもなく最大値の場所が決まる。
上に凸(山)なら逆で、軸から遠いほど値が小さい(最小になる)。「凸の向き × 軸からの距離」の 情報で、端の勝負は計算なしで決着する。
最大最小は 点(頂点・左端・右端)の値比べ — 素朴だが、この 点を必ず全部拾う習慣が、取り逃しを防ぐ。
ポイント
- 定義域つきの最大最小は、グラフをかいて考える
- 平方完成 → 頂点 → 放物線 → 定義域の範囲で読む
- 頂点が範囲に入るか、両端の値も必ず確認する
よくある間違い
- 端の値()を計算せず、最大を取り逃す
- 頂点が定義域の外にある場合を、そのまま頂点で答える
- 最大・最小の「値」と「そのときの 」の両方を答えない