数学I / 2次関数のグラフと最大・最小
グラフの対称移動
問題
放物線 を、次のものに関して対称移動して得られる放物線の方程式を、それぞれ の形で求めよ。
(1) 軸
(2) 軸
(3) 原点
ヒントを見る
軸対称は を に、 軸対称は を に、原点対称は両方を入れかえる。式に置きかえて整理するだけ。頂点や凸の向きがどう変わるかイメージすると確認できる。
解答・解説
方針
対称移動は、置きかえで作れる。
・ 軸に関して → を に(上下ひっくり返す) ・ 軸に関して → を に(左右ひっくり返す) ・原点に関して → を 、 を に(両方)
置きかえた後、 の形に整理する。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 対称移動も、置き換えの規則で処理できる。
- 軸対称(上下ひっくり返す): を に置き換え
- 軸対称(左右ひっくり返す): を に置き換え
- 原点対称( 回転): 両方置き換え
軸対称なら 、つまり 。どの軸で何を置き換えるか、 つの組み合わせを取り違えないことがすべてだ。
もとの放物線は 。
(1) 軸に関する対称移動は、 を に置きかえる。
両辺に をかけて の形にする。
(2) 軸に関する対称移動は、 を に置きかえる。
、 に注意。
(3) 原点に関する対称移動は、 を 、 を に置きかえる。 を にした(2)の右辺を、さらに にした形なので
の形にして
まとめ:対称移動は『軸なら 、軸なら 、原点なら両方』の置きかえ。落ち着いて符号を追おう。
発展 — 一歩先へ。 という事実が、 軸対称の計算で効いている — の項は で変わらないが、 の項(奇数次)は符号が反転する。一般に「偶数次の項は 軸対称で不変、奇数次は符号反転」— ( 軸対称な偶関数)と (原点対称な奇関数)の性質の由来がここにある。
対称移動を 回続けると元に戻る( 軸対称を 回で恒等)。また「 軸対称 軸対称 原点対称」— つの移動は独立ではなく、 つ知れば つ目は自動的に決まる。移動の合成という見方は、数Cの 次変換へつながっていく。
(1) (2) (3)
別解
頂点の移動で確かめると、置き換えの結果が図形的に納得でき、検算にもなる。
— もとの放物線は頂点 の下に凸だ。
(1) 軸対称: 頂点は上下反転で へ。谷が山になる(上に凸に反転)。
(2) 軸対称: 頂点は左右反転で へ。凸の向きは変わらない(左右に鏡映しても谷は谷)。
(3) 原点対称: 頂点は へ。 回転なので上に凸になる。
いずれも置き換えの結果と一致する ✓。
凸の向きが反転するのは、 軸対称と原点対称( が になる場合)だけ — 軸対称では変わらない。この 行を覚えておけば、答えの の係数の符号を即座に検算できる。
「置き換えで計算し、頂点で検算する」— 重チェックの型である。
ポイント
- 軸対称 → 、軸対称 → 、原点対称 → 両方
- 置きかえた後、 の形に整理する
- 、 の符号に注意
よくある間違い
- どの軸でどれを置きかえるか( か か)を混同する
- を としてしまう
- 軸対称で凸の向きまで反転させてしまう(反転するのは 軸・原点対称だけ)