数学I / 2次関数のグラフと最大・最小
グラフの平行移動
問題
(1) 放物線 を 軸方向に 、 軸方向に だけ平行移動して得られる放物線の方程式を求めよ。
(2) 放物線 を 軸方向に 、 軸方向に だけ平行移動して得られる放物線の方程式を、 の形で求めよ。
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放物線の平行移動は『頂点をどこへ動かすか』で考えるのが速い。もとの頂点を求め、指定された分だけずらした新しい頂点から式を組み立てる。
解答・解説
方針
平行移動のやり方は2通り。
【頂点で考える】平行移動しても放物線の形()は変わらず、頂点だけが動く。だから頂点を移動させて、 を組み立てる。
【式で考える】 方向に 、 方向に 動かすには、式の を 、 を に置きかえる。(1)は簡単なので頂点で、(2)も頂点で考えるのが速い。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 平行移動は「頂点がどこへ動くか」で考えるのがいちばん速い。形( の値)は変わらず、位置だけが動く。
(1) の頂点 が、 方向 ・ 方向 動いて へ。 のまま
(2)も同じ — まず平方完成して頂点を出し、それを動かして、必要なら展開して戻す。「頂点で考える」が平行移動の王道である。
(1) の頂点は原点 。 方向に3、 方向に 動かすと、頂点は に移る。形()は変わらないので
(2) まず の頂点を、平方完成で求める。
頂点は 。これを 方向に 、 方向に2動かすと
形()は変わらないので、頂点 の放物線は
平行移動は『形はそのまま、頂点だけ動かす』と考えると速い。
発展 — 一歩先へ。 平行移動で変わらないものは何か — の係数 (グラフの開き具合と凸の向き)だ。動くのは頂点の位置だけ。だから「 を移動した」答えの の係数は、必ず のまま。 が変わっていたら、その時点で計算ミスと分かる。
この「 を に置き換える」という規則は、 次関数に限らずすべての関数で成り立つ。 でも でも同じ — 数IIIまでずっと使う、グラフの移動の普遍ルールである。
(1) (2)
別解
頂点を経由せず、式の置き換えで直接動かす方法もある。こちらは平方完成が不要だ。
規則はこう — 方向に 、 方向に 動かすには、 を に、 を に置き換える。
(2)は 方向 、 方向 なので、 を 、 を に。
右辺を展開して整理すると
よって 、つまり — 頂点ルートと同じ答えだ。
符号が逆になるのが、この方法の急所。「 動かすのに を代入する」— 直感に反するが、理由はこうだ。移動後のグラフ上の点 は、移動前の点 が動いてきたもの。だから元の式に を入れる。
つの道の使い分け — 平方完成が楽なら頂点ルート、面倒なら置き換えルート。そして両方で計算して一致を確かめれば、符号ミスは完全に潰せる。
ポイント
- 平行移動は形()を変えず、頂点だけ動かす
- 式で考えるなら、 を 、 を に置きかえる
- 頂点を求めるにはまず平方完成
よくある間違い
- 方向に を、 を とする(正しくは 、符号が逆)
- 平行移動で まで変えてしまう
- 頂点だけ動かして、 を書き忘れる( の 倍を落とさない)