数学I / 2次関数のグラフと最大・最小

最小値の条件から係数を決定する(場合分けと吟味)

★★★ 応用最大・最小係数決定場合分け

問題

を実数の定数とする。関数 ()の最小値が であるとき、 の値を求めよ。

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が定義域 の左外・中・右外で場合分けし、各場合の最小を で表す。それを と等しいと置いて を求め、その が『その場合の条件』を満たすか必ず吟味(合わないものは捨てる)。

解答・解説

方針

。軸 が動く。定義域 での最小値が になる を求める。

軸の位置で最小値の式が変わる(3場合分け)。各場合で最小値 の方程式を解き、求めた が『その場合の条件』に合うかを必ず吟味する。合わない解は捨てる。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 これは、最小値「が」先に与えられて係数を逆算する逆問題だ。まず順問題(最小値を求める)の場合分けを、そのまま流用する。

軸の位置で つに分け、各場合で「最小値 」という方程式を立てて を解く。

ただし、解いて終わりではない。出した が、その場合の前提範囲に本当に入っているかを吟味する。ここまでがワンセットだ。逆問題は吟味が命になる。

公式最小値の条件から係数:軸の位置で場合分けし、各場合の が『その場合の条件』を満たすか吟味
xyOx = a最小 −41
(ii) の場合(a = 2 − 2√2 ≈ −0.83): 軸が定義域内で、頂点の値が −4

平方完成する。

頂点 、軸 、下に凸。定義域 での最小値が になる を、軸の位置で場合分けして求める。

② 軸が範囲内(): 頂点で最小。

解の公式で 。数値で見ると

条件 に合うのは ()だけ。 は範囲外なので不適。

③ 軸が右外(): 最小は右端

これが なら 。でもこれは を満たさないので不適。

① 軸が左外(): 最小は左端

これが なら 。でもこれは を満たさないので不適。

結局、条件に合うのは②の だけ。よって

まとめ:係数決定は『各場合で方程式を解く → 求めた がその場合の条件に合うか吟味』が命。合わない解を除くのを忘れると、不適な答えまで書いてしまう。

発展 — 一歩先へ。 この問題で を捨てたのは、偶然のミス防止ではない。場合分けで定義された関数を逆に解くと、必ず「幽霊解」が混じるからだ。

頂点の高さ という式は、 が定義域内()にあるときだけ「最小値」を表す。この前提を外して式だけ解くと、前提の外にいる まで出てくる。これは最小値ではなく、ただ頂点の高さがたまたま になる点にすぎない。

同じ構造は、絶対値の方程式や、両辺を 乗して解く問題での無縁解と同じだ。式変形や場合分けは解の候補を広げるので、最後に必ず元の前提(その場合の範囲・元の等式)に照らして検算し、幽霊を振り落とす。逆問題での吟味は、この一般原則の一例になっている。

別解

別解 — 本命の頂点ケースを先に解き、端は評価で瞬殺(得意な人向けの視点)。 場合を平等に解く前に、最小値 という深い値に届きうるのはどの場合かを見積もる。

軸が右外()なら最小は右端で だから 。軸が左外()なら最小は左端で だから 。どちらもその範囲では になりえない。範囲の端の値を入れて評価するだけで、 つの場合が消える。

残るは軸が定義域内()の場合だけ。頂点の高さは で、これが

に入り、 は入らない。よって

場合を機械的に解いて後で吟味する本解に対し、こちらは端の 場合を値域の評価だけで先に落とし、本命の 場合に絞る。本解と同じ に至る。

ポイント

  • 軸が動く最小値 = 与えられた値、を各場合で方程式にする
  • 求めた が『その場合の条件』に合うか必ず吟味する
  • 合わない解は捨てる(吟味が命)

よくある間違い

  • 求めた を吟味せず、その場合の範囲に合わない まで答えに含めてしまう。
  • の解の公式で、 の計算を誤り、 を出しそこねる。
  • 軸が定義域外のとき、最小を頂点の高さ のまま使い、端の値 に切り替え忘れる。