数学I / 2次関数のグラフと最大・最小
面積の和の最小値(針金の分割)
問題
長さ の針金を2つに切り、それぞれを折り曲げて2つの正方形を作る。2つの正方形の面積の和を最小にするには、針金をどのように切ればよいか。また、そのときの面積の和を求めよ。
ヒントを見る
針金を と に切る。それぞれの正方形の面積を で表して和を作ると2次関数。平方完成で最小 — 対称性から切り方も予想できる。
解答・解説
方針
針金16cmを2つに切り、 cmと cmに分ける。それぞれで正方形を作るので、1辺は周の 。
cmの正方形は1辺 、面積 。同様にもう一方も。面積の和 を の式にして、平方完成で最小を求める。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 文章題では、まず「何を変数にすれば全部が 文字で書けるか」を決める。ここでは切る位置を とおく。
一方が cm、もう一方が cm。それぞれの正方形の面積を で表せば、面積の和は の 次関数になる。
変数を決めたら、定義域も同時に書き留める。 も も正の長さだから 。これを式とセットで押さえておく。
① 片方を とおいて立式する。 針金を cmと cmに切る。それぞれで正方形を作るので、1辺は周の 。定義域は も も正なので
② 面積の和を の式にする。 cmの正方形は1辺 、面積 。 cmの正方形は面積 。面積の和は
③ 平方完成して最小を読む。 分子を平方完成する。
頂点 、下に凸。頂点 は定義域 の中なので、 で最小値 。
つまり針金を8cmずつ(等しく2等分)に切ると、面積の和が最小の になる。
まとめ:『2つに分けて、それぞれの面積の和を最小に』は、片方を 、もう片方を として和を の式にする。等分するとき最小、というきれいな結果になる。
発展 — 一歩先へ。 本解の を見ると、 が から離れるほど は大きくなる。では逆に、面積の和を最大にするにはどう切ればよいか。
最大は「片方へ寄せる」方向にある。一方の針金を に近づけると、もう一方は cm、 辺 cm で、面積の和は に近づく。ただし「 つに切る」条件では両端 に届かない。だからこれは達しない上限で、最大値そのものは存在しない。
一般に、長さ の針金を 個に切って正方形を作るとき、面積の和は と書ける。切り分け の和 が一定のもとでは、全部等しく のとき最小 になる。和が一定なら 乗の和は「均等にばらす」ほど小さい、という性質だ。ここでは で 。分ける数 を増やすほど、作れる面積の最小はいくらでも小さくできる。
ずつ(等しく2等分)に切るとき、面積の和は最小値
別解
別解 — 「辺の和が一定」に気づいて不等式で(得意な人向けの視点)。 を追う代わりに、 つの正方形の 辺そのものを とおく。針金の総和は で、、つまり
面積の和は 。これを の条件のもとで最小にしたい。ここで次の不等式が使える。
等号は 、すなわち のとき。辺が cm の正方形が つで、針金は cm ずつだ。
次関数に直して平方完成する本解に対し、こちらは「辺の和が で一定」と見抜き、 乗和の不等式で一発で下限 を出す。等号成立の条件が、そのまま切り方を教えてくれる。本解と同じく cm ずつで最小値 。
ポイント
- 正方形の面積は (周の ) の2乗
- 面積の和 を の式にして平方完成
- 等分()のとき最小になる
よくある間違い
- 正方形の 辺を、周そのものや としてしまい( 辺は周の で )、面積を誤る。
- 定義域 を書かず、 や (片方が消える)を答えに含めてしまう。
- 「等分で最小」を早合点し、面積の和が最小になる根拠(平方完成や不等式)を示さずに結論だけ書く。