数学I / 2次関数のグラフと最大・最小

置き換えによる最小値(tの範囲に注意)

★★★ 応用最大・最小置き換え

問題

関数 について、次の問いに答えよ。

(1) とおくとき、 がすべての実数を動くときの のとりうる値の範囲を求めよ。

(2) の最小値と、そのときの の値を求めよ。

ヒントを見る

と置く。まず 自体が2次関数だから、 が全実数を動くときの のとりうる範囲(下限)を出す。 の最小はその範囲の中で探し、最後に へ戻す。

解答・解説

方針

とおくと の2次関数になる。ここで の範囲がカギ。 の2次関数(下に凸)なので、 の最小は は全実数を動くので

この範囲で の最小を求め、そのときの から を(2次方程式を解いて)戻す。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 式をよく見ると、同じかたまり 回現れている。これは置きかえのサインだ。 とおく。

ただし、置きかえには落とし穴がある。 が自由に何でもとれるとは限らない。 自身が 次関数だからだ。

だから の動ける範囲を、自分で求める必要がある。「置きかえたら範囲もセットで引っ越す」が合言葉になる。

公式置きかえ 。まず のとりうる範囲(下限)を出し、その範囲で最小を探す
tyOt = −1最小 −3
g(t) = (t−2)² − 3(t ≥ −1)— 軸 t = 2 は範囲内

① 置きかえた の範囲を出す。 を平方完成する。

は全実数を動くので、 は0以上、 以上。

の式にして、 の範囲で最小を探す。 で表すと 。平方完成する。

頂点 、下に凸。頂点 は範囲 の中にあるので、 で最小値

③ 見つけた に戻す。 から

解の公式で

よって

まとめ:置きかえの の範囲は、 自体が2次関数なので、その最小()から と決まる。 が単純に全実数になるわけではない点に注意。

発展 — 一歩先へ。 別解で得た形 をもう少し眺める。 だから、 だけで書ける。 のグラフは直線 を軸に左右対称だ。

対称なので、最小をとる点も左右にペアで現れる。実際 はどちらも から等しく離れていて、ともに最小値 を与える。真ん中の では と、逆に山になる。

この「谷・山・谷」の形は つの底をもつ 次関数の典型で、物理では二重井戸ポテンシャルと呼ばれる。 つのかたまりの 次式に落ちる 次関数は、こうした対称な二重谷の構造をもちやすい。

(1) (2) のとき最小値

別解

別解 — 置きかえずに一気に完全平方(得意な人向けの視点)。 の範囲を気にせず、 をそのまま平方の形にまとめてしまう手もある。 つのかたまりと見て、 を「かたまりの 次式」として平方完成する。

は「何かの 乗」から を引いた形になった。 乗は 以上だから、つねに

あとは 、つまり が実数解をもつかを確かめるだけ。判別式は で、実際に解ける。

の範囲を調べる本解に対し、こちらは を完全平方に押し込み、平方の中身が になれるか(方程式が解けるか)だけを見る。等号が届くので、本解と同じく で最小値

ポイント

  • の範囲
  • の範囲で の最小を求める
  • から に戻すには2次方程式を解く

よくある間違い

  • の範囲を全実数と思い込み、 を落として最小の場所を誤る。
  • の頂点 が範囲 に入るか確かめずに、最小値だけ答える。
  • で止まってしまい、 を解いて に戻す最後の一歩を忘れる。