数学I / 2次方程式・2次不等式

区間にちょうど1つの解をもつ条件

最難関編解の配置境界の吟味

問題

を実数の定数とする。2次方程式 の範囲にちょうど1つの解をもつような の値の範囲を求めよ(重解が範囲内にある場合も「ちょうど1つ」に数える)。

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の値は によらず決まっている — これで場合分けが半分減る。「ちょうど1つ」を壊す敵は2つ: 解が2つとも入る場合と、1つも入らない場合。境界(端点で解をもつ・重解)がどちらに算入されるかを、実際に解を求めて確かめること。

解答・解説

方針

f(x)=x²+ax+1 とおくと f(0)=1>0 が固定されている、が出発点。またぎ型 f(0)f(2)<0 は f(2)<0 に退化。境界 f(2)=0(a=−5/2)は「もう一方の解 1/2 が範囲内」なので採用。さらに重解が範囲内に落ちる a=−2 を拾い、両解が範囲内(2個)の帯を除外する。境界と重解の丁寧な吟味がすべて。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 解の配置は のグラフで読む。この問題には大きな特徴がある。 が、 によらず最初から決まっていることだ。

左端はつねに正。だから「またぎ型(区間内に1つ)」の条件は の1本だけに退化する。

残る仕事は境界の吟味だ。 となる では、解 自体は範囲外(開区間)。だが、もう一方の解が範囲内かを確かめる必要がある。さらに、重解が範囲内に落ちる も「ちょうど1つ」に数える約束だった。境界はすべて、実際に解を出して検分する。その几帳面さが答えを決める。

重要 固定 → またぎ型は のみ。境界(・重解)は解を実際に求めて「ちょうど1つ」かを判定する

① またぎ型。 だから、 のとき にちょうど1つの解が入る。もう1つの解は 側だ。範囲内はちょうど1つ ✓。

② 境界 方程式は 。解は は範囲外(開区間)、 は範囲内。ちょうど1つ ✓ 採用。

③ 重解と2個の帯。 判別式 では重解 。約束により「ちょうど1つ」✓ 採用( の重解 は範囲外 ✗)。

一方、 を調べる。、軸 がすべて成り立つ。つまり2つの解がともに範囲内だ。「ちょうど1つ」に反するから除外。( 含む)では範囲内の解は0個(解が虚数、または負・範囲外)。

まとめて

xyOa=−3a=−2a=−9/412
y=x²+ax+1 の3つの表情。a=−3(青): 区間(0,2)を1回またぐ(もう1つの解は右外)。a=−2(赤): 重解 x=1 で接する — ちょうど1つ。a=−9/4(黒): 2解とも区間内で2個 — 除外

まとめ: 固定された で場合を半減。またぎ型を作り、境界と重解を実解で検分し、2個入りの帯を除外する。答えが孤立点 と半直線という珍しい形になるのは、重解の一瞬だけ「ちょうど1つ」が復活するからだ。境界の吟味を省くと、必ずどちらかを落とす。解の配置の総仕上げである。

または

別解

定数分離 — 1本の曲線と水平線で全場合を見る(視点の転換)。 では 。だから を分離できる:

左辺 のグラフと、水平線 の交点の個数。それがそのまま解の個数になる。場合分けが「線と曲線の交わり」という1枚の絵に置き換わるのだ。

の形を調べる。 で最小値2(相加平均と相乗平均の関係。等号は すなわち )。増減は の符号から分かる。 で減少、 で増加だ。左端側は、 が0に近づくと限りなく大きくなる。右端では だが、 は範囲外なので右の枝は に届かない。

xyO(1, 2)(2, 5/2)122
u(x)=x+1/x(0<x<2)。谷底 (1, 2)。右端 (2, 5/2) は白抜き(範囲外で届かない)。水平線 y=−a との交点数: −a=2 で1個、2<−a<5/2 で2個、−a≥5/2 で1個(左の枝のみ)

水平線 との交点がちょうど1個になるのは:

  • (谷底にぴったり): の1個 →
  • (右の枝は 未満で途切れているから、左の枝としか交わらない): 1個 →

では両方の枝と交わって2個(除外)。 では0個。答えが「谷底の一瞬 」と「半直線 」に割れる理由が、この1枚で一望できる。

ポイント

  • 固定 → またぎ型は ()。
  • は解 が範囲内で採用、 は重解 で採用。
  • は2個入り(除外)→ 答えは孤立点+半直線。

よくある間違い

  • 開区間 を見落とし、 のとき「 も解だから2個」と誤って除外する。実際は は範囲外で、範囲内は の1個だけ。
  • 重解の を検討し忘れる(または重解を2個と数えて捨てる)。「重解も1つに数える」という問題の約束を最初に確認する。
  • またぎ型 だけで答えを閉じる。 の「2個入り」の帯の除外検討(、軸の4点セット)を飛ばしてはいけない。