数学I / 2次方程式・2次不等式

4次式が常に正であること

最難関編不等式の証明平方の和

問題

すべての実数 に対して、次の不等式が成り立つことを示せ。

ヒントを見る

は遠すぎて直接組めない — 間を取り持つ の項を「0 = −x²+x²」として自分で持ち込む。定数 をどう2つに割れば、両方の組が完全平方になるか。

解答・解説

方針

4次式に判別式は使えない。「平方の和に分解できれば0以上」が唯一の望み。1/2 を 1/4+1/4 に割って、x⁴−x²+1/4(=(x²−1/2)²)と x²−x+1/4(=(x−1/2)²)の2組に振り分けると、ちょうど2つの完全平方が現れる。等号は2つの平方が同時に0のときだが、それは起こらない。だから真に正。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 4次式の正値性に、判別式はない。頼れるのは「平方の和は0以上」だけだ。

ところが は次数が離れすぎて、直接は組めない。そこで橋渡しの を、 の形で自前で挿入する。さらに定数 に割って2組に配る:

どちらもぴったり完全平方になる。最後に「等号(両方の平方が同時に0)が起こり得ない」ことを確かめれば、 に格上げされる。

重要高次式の正値性は平方の和への分解。等号の可否は「すべての平方が同時に0になれるか」で判定する

① 分解する。

展開して確かめると ✓。

② 0以上を確認する。 平方の和だから、すべての実数

③ 等号が起こらないことを確認する。 等号には かつ が必要。だが のとき 。2つの平方は同時に0になれない。よって不等号は真に成り立つ:

xyO最小 ≈ 0.027-110.5
y=x⁴−x+1/2。x≈0.63 で最小値 ≈0.027 — x軸すれすれまで迫るが、決して触れない。この「わずかに正」を式で保証するのが平方和への分解

まとめ: 橋渡しの項を0の形で挿入し、定数を割って平方2つに配る。4次の正値性証明の代表的な設計だ。最後の急所は、 の違いを分ける「等号の同時成立チェック」。平方和分解の答案は、必ずここまで書いて閉じる。

証明( と2つの平方の和に分解)

別解

相加平均・相乗平均で を作る(数IIの道具を先取りする人へ)。 のときは簡単だ。 だから左辺

勝負は のとき。4つの正の数 に相加平均・相乗平均の関係(4項版)を使うと

ここで だから 。つまり で、移項すれば結論が出る。

ポイントは、定数 を3等分したこと。こうすると4乗根の中で の1乗がちょうど1本残る( の2分割では の1乗が作れない)。うまくいく分割を逆算する感覚は、不等式の設計力そのものだ。

ポイント

  • の挿入と の配分。
  • の平方和。
  • 2つの平方は同時に0になれない → 真に正。

よくある間違い

  • 4次式に判別式を使おうとする。判別式は2次専用の道具。高次の正値性は平方の和(または場合分け+評価)で示す。
  • 1つの完全平方 だけで書き切ろうとして挫折する。1次の項が余って符号を制御できない。2つの平方に配るのが設計の要。
  • を示して満足し、等号が起こらないことの確認を飛ばす。 は同時に成立しない。ここまで書いて の証明が閉じる。